上流と下流をスムーズにつなぐ業界初のEA構築体系

2005/4/22

 NECトータルインテグレーションサービス(NTIS)は4月21日、業務モデリングとシステム構築作業を密接につないだWebアプリケーション開発のためのEA構築体系「CGAA(Class of General Available Application)」をリリースすると発表した。

NECトータルインテグレーションサービス シニアソリューションアドバイザ 保坂定雄氏

 NTISでは2002年から「CGAA」(同一名称)という名称で、製造業および流通業向けに業務システムの構築サービスを提供していた。生鮮卸売業向けシステムパッケージや財務会計/人事給与システムパッケージなど、業務システムのパッケージとともに、モデリング基準やプログラミング基準など、効率的な業務システム構築を行うためのフレームワークも提供する統合的なアプリケーション構築体系だった。

 統合的なアプリケーション構築体系という位置付けながら、実際には、業務モデリング(上流)とシステム構築(下流)で生じるミスマッチをなかなか解消することができなかった。通常、システム開発を行う場合、顧客の業務要件を定義するという作業を経て、業務をモデル化し、そのモデルをプログラムに落とし込んでいくのだが、業務要件に厳密性を持たせようとすると、顧客企業内のさまざまな利害関係者(経営者、IT部門スタッフ、現場の営業担当者など)の意見をすべて反映させなければならず、結果的に想像以上の工数を割かなければいけないという現状があった。

 今回、NTISがリリースした「CGAA」は、従来の「CGAA」の体系のなかに業務モデリングや実装段階の成果物をオブジェクト化して一元管理できる特徴を持つIDSシェアー・ジャパンのBPMツール群「ARIS(Architecture of Integrated Information System)」を取り込み、人力ではコントロールできない上流と下流のミスマッチを機械的に解消するようにした。このような改良により、開発作業の遅延の最大の原因だった(要件の変更による)手戻りや後戻りを大幅に削減することを目指した。

 NTISとIDSシェアーは業種・業務テンプレートなどのコンテンツを用意している製造業や流通業を対象に、3年間で100システム(180億円)の販売を目標としている。

(@IT 谷古宇浩司)

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NECトータルインテグレーションサービスの発表資料

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