2008年までにデスクトップPCの10%がシンクライアントに?
2005/5/19
シンクライアント・コンピューティング大手である米ワイズテクノロジーは5月18日、中国北京のアジア・パシフィック地域本社に同地域担当社長としてアンドリュー・フー(Andrew Hu)氏を任命するとともに、日本支社を8月に設立すると発表した。現在同社では、日本市場におけるパートナー企業を探しており、パートナー企業と二人三脚で日本のシンクライアント市場に参入する意向だ。
ワイズテクノロジー 代表取締役社長兼CEO ジョン・キッシュ氏 |
ワイズテクノロジーのシンクライアントは、管理サーバとクライアント側のコントローラを接続して利用する。一般的なシンクライアントと同様に、クライアント側のコントローラーにはハードディスクなどの記録媒体は持たず、ユーザー認証などを行うOSとシンクライアントサーバに接続するプログラムのみがインストールされている。コントローラのOSには、ワイズテクノロジーの独自OS「Blazer OS」やWindows CE、Linux、Windows XP Embeddedなどから選択可能だ。ユーザー認証には生体認証を組み合わせることもできる。Blazer OSをインストールしたコントローラの場合、「電源を入れてから3秒で起動する軽さ」(キッシュ氏)というシンクライアントならではのメリットもある。
モニタの左右に見えるボックスがシンクライアントのコントローラ。小さいことからモニタ裏や机の下面に貼り付けることもできるという |
ワイズテクノロジーによると、2004年のシンクライアントの市場規模は3万7000台、23億ドル。これが、2005年には5万台、30億ドル、2007年には9.5万台、55億ドルまで拡大するという。キッシュ氏は「日本は4月に施行された個人情報保護法の影響で、2005年度は特にシンクライアント化が進むのではないか。ワールドワイドでは、2008年までに企業のデスクトップPCの約10%がシンクライアントに置き換わるだろう」と予測した。
同社ではアジア戦略を強化するために、2005年には北京にアジア・パシフィック地域本社を設立。同地域担当社長としてアンドリュー・フー氏を任命した。北京の研究所には現在30名の研究者が在席しているが、今後これを100人まで伸ばす予定だという。日本における今後の戦略としては、8月に日本の子会社を設立し、日本語化対応などを推進するほか、新製品発表なども順次行っていく予定。「数年後には売上の20%をアジアが占めることになるだろう」(キッシュ氏)と抱負を語っている。
(@IT 大津心)
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