SoftEtherの新バージョンが今夏にも登場、登大遊氏が講演

2005/6/9

 ソフトイーサの代表取締役社長 登大遊氏は6月8日、「Interop Tokyo 2005」のセキュリティパビリオンで講演し、SoftEther VPNの新バージョン2.0を今夏にも完成させる予定と明らかにした。Linuxに対応する「SoftEther VPN 2.0 for Linux」も開発中で、近く完成するとした。

ソフトイーサの代表取締役社長 登大遊氏

 SoftEther VPN 2.0 Beta3は、同社Webページで5月17日に公開。無償ダウンロード提供を開始している。登氏は、SoftEther VPNのバージョン1.0について、「レイヤ2の仮想化による通信の透過性は、企業のネットワーク管理者にとっては社員の通信を管理できないという副作用をもたらした」と話し、バージョン2.0でこの問題点を克服する方針を示した。

 SoftEther VPN 2.0の主な改良点は、管理者がソフトイーサを使った通信を検出できるようになること。SoftEther VPN 2.0では通信時のパケットのヘッダに専用のタグを新しく挿入するようにし、ネットワーク管理者がSoftEther VPN 2.0の通信を検出ができるようにする。IPアドレスやMACアドレスを使ったACL(アクセスコントロールリスト)も利用でき、ユーザーポリシーを適用させた運用が可能となるという。

 また、RadiusやActive Directoryなどの認証サーバに対応させ、社員のIDとパスワードを使って、SoftEther VPN 2.0のクライアント認証を行えるようにする。SoftEther VPN 2.0接続中のTCPコネクションのログの保存を可能にし、問題が発生した際のユーザー追跡や原因究明を可能にするという。セキュリティトークンのハードウェアにも対応する。

 また、大規模ユーザー向けに複数TCP/IPコネクションによる通信速度の高速化もする。1VPNサーバーあたり最大4096同時接続ユーザーのサポートし、クラスタリング構成を可能にするという。登氏によると、ベータ版の実験では、バージョンアップ1.0と比較して、SoftEther VPN接続時の通信速度が194Mbpsから710Mbpsに向上したという。

 講演では、筑波大学と会場をSoftEther VPN 2.0でつなぎ、大学キャンパスの模様をライブ放送で見せるデモを行い、スムーズな動画再生をアピールした。

(@IT 富嶋典子)

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