ソースネクスト、1980円LinuxでWindowsに勝つ!

2005/6/22

 ソースネクストは6月21日、同社の新たな戦略「全方位コモディティ化戦略」を発表した。従来のコモディティ戦略を拡充し、プラットフォームの拡大、新ジャンルの開拓、ターゲット年齢拡大の3つの柱を新たに加えるという。

イメージキャラクターになった松下奈緒さん。手に持っているのは、「従来のイメージを維新したおしゃれなデザイン」という新しい「携快電話」のパッケージ
  ソースネクストは、2003年2月に「日用品のようにどこでも手軽な値段でPCソフトを購入できるように」という目標を持って、コモディティ戦略を発表。その後、2年以上にわたって展開してきた。具体的には、ほとんどのソフトウェア料金を1980円に値下げしたほか、従来の大きな紙パッケージをDVDサイズに縮小、家電量販店以外の書店やホームセンター、コンビニエンスストアといった販路の拡大を実施してきた。この結果、売上本数は2002年と比較して2004年は462万本で販売本数シェア20.9%で1位、売上金額も2002年の56億円から93億円に伸びたという。

 同社ではこのコモディティ戦略をさらに拡充し、今後「プラットフォームの拡大」「新ジャンルの開拓」「女性層や若年層への訴求」の3つの柱をさらに実施していくとした。プラットフォームの拡大では、現在同社製品の98%がWindows向けであることから、LinuxやMacintosh向けのラインアップを拡充させる。具体的には、Linux向けの「特打」や「携快電話」や、Macintosh向けの「携快電話」を発売する。現在Linux向けソフトのラインアップは4本だが、2008年3月までに50本に、Macintosh向けソフトを37本から100本にそれぞれ拡充させる。

「Linuxを普及させたい」と語る松田社長
  ソースネクスト 代表取締役社長 松田憲幸氏は「Linuxが普及しない最大の要因は、Windowsの数十分の1しかアプリケーションソフトがないことだ。アプリケーションソフトを充実させれば、Windowsより安価なLinuxが普及する可能性は十分ある」と分析。今後、Linux分野に特に注力していくとした。その第1弾として、Linux OSシェアの48%を誇る「Turbolinux Personal」を1980円で8月5日より販売する。松田氏は、「TurbolinuxとStarSuiteを組み合わせたPCを発売すれば、WindowsとOfficeの組み合わせよりも、ソフトウェア料金を5万円近く安くできる。10万円以下のPCが主流になる可能性があり、そうすれば現在年間1200万台程度のPC出荷台数は2000万台まで伸びる可能性もある」と予測した。

 新ジャンルの開拓では、KOEIなどのゲームソフトの販売を開始するほか、USBメモリを挿すだけで利用できるIP電話「いきなりIP電話」を8月5日より1万本限定で2970円で販売する。また、従来の同社製品の購入者は30〜40代のサラリーマン男性が多く、20代や女性が少なかったという。これを受けて同社は20代や女性へ訴求するため、女優松下奈緒さんをイメージキャラクターに起用した。

 松田氏は、「Linuxには特に力を入れていく。現在のLinux市場は、Windowsの71%に対して7%程度だが、これを1年後には26%まで拡大したい」と抱負を語った。

(@IT 大津心)

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ソースネクストの発表資料(PDF)

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