ドコモ「M1000」に対応、オラクルが携帯向けDBを本格化

2005/6/29

 日本オラクルは携帯電話向けデータベース事業を本格化する。5月に発表した携帯電話向けデータベース「Oracle Database Lite 10g for Symbian」を、NTTドコモが7月1日に出荷する企業向けFOMA「M1000」に搭載可能にした。今後、ISVやシステム・インテグレータなどのパートナーに対して対応アプリケーション、ソリューションの開発を促し、「フロントからバックまでをオラクルのデータベースで構築することを推奨する」(日本オラクル)。日本オラクルのアドバンストソリューション本部長 林徹氏は「Oracle Database Lite 10gが携帯電話に搭載されるのは世界で初めて」と述べ、市場拡大の意気込みを示した。

NTTドコモが発売する「FOMA M1000」

 M1000はモトローラが開発した法人向けのFOMA携帯電話。POP3/IMAP4、SMTPの電子メールに対応し、Webブラウザも搭載する。電子メールの添付ファイルも開くことができる。FOMAのほかに無線LANにも対応。NTTドコモは企業の業務アプリケーションと連携させる使い方を提案する考えで、「ビジネスパーソンに使いやすい携帯電話。日本のBlackBerryを目指す」(NTTドコモ プロダクト&サービス本部 ユビキタスサービス部長 徳広清志氏)としている。

 NTTドコモは同社の法人営業本部の直接販売のほかにSIパートナー経由での販売も行う。各パートナーはM1000向けのアプリケーションを開発し、M1000に搭載したうえでエンドユーザーに販売する。

日本オラクルのアドバンストソリューション本部長 林徹氏

 日本オラクルはこれまでPDA向けにOracle Database Liteを提供してきたが、今後は携帯電話向けの取り組みを強化する。サーバのデータベース・アプリケーションと連携させる使い方を想定している。オラクルのパートナーではソフトブレーンがOracle Database Liteを搭載したM1000で稼働するSFA/CRMアプリケーション「eセールスマネージャー」を開発中。同様にオラクルのパートナーのテニック、エヌアイデイ・アイエスはノンプログラミングでSymbianアプリケーションを作成できる「MoPulse」を開発している。フルノシステムズ、システムズナカシマも対応を表明している。

 オラクルによると、Oracleデータベースを利用したパッケージソフトウェアは国内に900種あり、そのうち86パッケージが携帯電話に対応している。オラクルは、携帯電話対応の機能を持つパッケージのISVに働きかけて、M1000対応のアプリケーションを充実させていく考えだ。オラクルの検証ではOracle Database Liteを導入したM1000では「10万件のデータを1秒以下で検索可能」で、「バックエンドのOracleデータベースとのデータ連携がスムーズにできる」としている。

 Oracle Database Lite 10g for Symbianは7月1日以降、オラクルのISV、SIパートナーに先行して提供する。正式出荷は2005年秋を予定している。M1000以外の法人向け携帯電話に対しても、開発されれば積極的に対応させていく考えだ。

(@IT 垣内郁栄)

[関連リンク]
日本オラクルの発表資料
NTTドコモの発表資料

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