電波が足りない! NRIが無線ブロードバンドで警告

2005/7/28

 野村総合研究所(NRI)は7月26日、無線ブロードバンドサービスの利用端末数が2008年には2150万端末に増えるとして、今後予定されている電波の新規割当が行われても、端末の増加に対応できないとの予測を発表した。NRIはWiMAXや次世代PHSの利用で対応する必要があると提言した。

野村総合研究所の情報・通信コンサルティング二部 上席コンサルタント 桑津浩太郎氏

 NRIの予測は携帯電話事業者が提供するデータ通信サービスや無線LANサービスが対象。NRIの予測によると、モバイル通信を行っているパソコン、エンターテインメント系端末(携帯AVプレーヤー、デジタルカメラ、携帯ゲーム機)、宅内無線接続端末(家庭内利用PC、デジタルビデオレコーダー、大型テレビなど)の総計は2006年に330万台。2007年には1250万台に増加し、2008年には2150万台まで増えると予測している。

 現行の第3世代携帯電話や無線LANサービスはすでにデータ通信で混雑化が始まっている。特に深刻なのが都心。都心部のデータ通信は郊外の10〜30倍に達するといい、オーバーフローが近く起きる可能性がある。さらに今後は、携帯電話事業者が高速、定額のデータ通信サービスをしかけてくる可能性がある。現在、選定が進んでいる携帯電話の新規事業者もデータ通信に注力するとみられ、帯域が飽和する危険がある。

 総務省は増加する帯域の需要にこたえるため、2GHz帯の割当選定を進めているが、仮に60MHz分が既存事業者、新規事業者に割り当てられた場合でも、音声ではなく定額のデータ通信サービスに主に利用するなら「1500万加入相当でとどまる」(情報・通信コンサルティング二部 上席コンサルタント 桑津浩太郎氏)。現在の携帯電話利用者の20%弱が定額データ通信サービスに移行するだけで、ほぼいっぱいになってしまう計算だ。

 NRIはこの帯域不足に対応するため、WiMAXや次世代PHSの整備を提言している。桑津氏は、現在3GHz超の帯域で検討されているWiMAXを拡張し、1.9/2/2.5GHzでも認めるよう提言。さらに次世代PHSの開発も訴えている。「日本版WiMAXとして次世代PHSへのWiMAX系技術の導入(PHS over WiMAX)を検討する必要がある」(桑津氏)

(@IT 垣内郁栄)

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野村総合研究所の発表資料

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