「Oracle Collaboration Suite」新版はコンテンツ管理が自慢

2005/8/31

 日本オラクルは8月30日、電子メールやファイル共有、掲示板などのグループウェア機能とコンテンツ管理機能を組み合わせたコラボレーティブ・アプリケーションの新版「Oracle Collaboration Suite 10g」(OCS)を発表した。コンテンツ管理機能、Web会議機能など、他社のアプリケーションが別のソフトウェアと組み合わせて提供している機能を標準で備えているのが特徴。そのため導入コストを抑えられるという。日本オラクルの執行役員 システム事業統括 システム事業推進本部長 三澤智光氏は「同じ機能を提供する場合、IBM、マイクロソフト製品と比べてOCSは最低でも半分から10分の1の価格だ」と述べた。

日本オラクルの執行役員 システム事業統括 システム事業推進本部長 三澤智光氏

 三澤氏はコラボレーティブ・アプリケーションに必要な機能として、電子メールやスケジューラなどの基本的な機能のほかに、ワイヤレス対応、Web会議、検索、コンテンツ管理、SOA対応などが求められると指摘。グループウェアで競合するIBM Lotus NotesやMicrosoft Exchangeでこれらの機能を実現するには別の製品を組み合わせる必要があるのに対して、OCSは「1つのスイートで実現できる」と強調した。また、OCSは電子メールや音声データなどの非構造化データを含めてOracle Databaseで一元管理できるため、セキュリティやデータの正確性が向上。運用管理コストを削減できると説明した。

 OCSの目玉は、Oracle Filesのコンテンツ管理機能を強化した「Oracle Content Services」。フォルダ、ファイルレベルのアクセス管理機能のほかに、ファイルにメタデータを付けて管理する機能や、ファイルの更新を自動判別してバージョンを変更する自動バージョニング機能などが追加された。HTTP/WebDAV/FTPのファイルアクセスが可能。チェックイン・チェックアウト機能、ウイルススキャン機能、ドキュメントのライフサイクル管理機能などもあり、オラクルでは「単なるファイルサーバを超えた、誰もが使える安価で容易なコンテンツ管理のためのシステム」(日本オラクル システム事業推進本部 営業推進部 ディレクター 西脇資哲氏)としている。

 米オラクルはContext Mediaから、エンタープライズコンテンツインテグレーションソフトの権利を買い取った。三澤氏は「権利の買い取りによって、今後コンテンツ管理機能の大幅な強化が可能になる」としていて、コンテンツ管理の専業ベンダに負けない機能を実装していく考えだ。

 また、OCSでは社内のプロジェクトで情報共有するための新機能「Oracle Workspaces」が追加された。Oracle Workspacesはメンバーを設定したプロジェクト内で利用できる情報共有のポータルで、ファイルや電子メール、ドキュメントなどを1画面で確認できる。スケジュールや掲示板、タスク管理、チャットなども利用可能。OCSにはインスタントメッセージング機能「Oracle Messenger」も新たに搭載されている。

 販売、出荷開始はOracle Content Servicesを含まない「Oracle Collaboration Suite 10g Release 1(10.1.1)」が9月21日。Oracle Content Servicesを含む次期バージョン「Oracle Collaboration Suite 10g Release 1(10.1.2)」は2005年内に出荷するとしている。価格はOCSのライセンスが1ユーザー当たり7875円。Oracle Content Servicesのライセンスは5880円などとなっている。最小購入数は100ユーザー。

 三澤氏は「オラクルがターゲットにするのは国内の40万ユーザー。今年度は10万ユーザーにアタックしたい」と説明した。パートナーのエンジニアを育成することで来年度は「爆発できる」。今年度は5億円、来年度は15億円の売り上げを目指す。「大手ユーザー数件で試験導入中。近々発表できる」(三澤氏)

(@IT 垣内郁栄)

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日本オラクルの発表資料

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