アドビが開発者サポートを強化、LiveCycle製品の浸透図る
2005/9/29
アドビシステムズは業務ワークフローを構築するビジネスプロセス管理製品「Adobe LiveCycle Workflow」など、LiveCycle製品を利用する技術者向けのサポートプログラム「Adobe エンタープライズ・デベロッパー・プログラム」を2006年中に国内で立ち上げる。開発者を支援することで、日本の業務に即したコンポーネントの開発を促すのが狙い。次世代製品へのニーズを開発者から吸い上げる目的もある。
米アドビシステムズのエンタープライズ・デベロッパー・リレーションズ グループマネジャー ベン・ワトソン氏 |
Adobe LiveCycle Workflowはアドビ製品やERPやCRM、ドキュメント管理システム、データベースなど複数のシステムを組み合わせて業務のワークフローを構築できるツール。業務アプリケーションをサービス単位で分割したJ2EEベースのコンポーネント「QPAC」(Quick Process Action Components)を、ワークフローのデザインツール「LiveCycle Workflow Designer」上で組み合わせる。QPACには、「10万円以上の決済は上長の承認が必要」などのビジネスルールを埋め込むことが可能。処理する業務の内容によってフローを分けることができる。
ビジネスプロセスに基づいてワークフローを構築するツールは他社でもあるが、Adobe LiveCycle Workflowの特徴は人の処理をコンポーネント化してワークフローに組み込めるようにしたこと。米アドビシステムズのエンタープライズ・デベロッパー・リレーションズ シニアグループマネジャー ベン・ワトソン(Ben Watson)氏は「調査によると大手企業のビジネスプロセスの85%には何らかの手作業が含まれている」と説明し、人の手作業を考慮したワークフローでないとプロセスの自動化にはつながらないとの考えを示した。ビジネスプロセスの中でボトルネックを見つけるBAM(ビジネス・アクティビティ・モニタリング)の機能も提供する。
Adobe LiveCycle Workflow Designerの利用画面。QPACを組み合わせてワークフローを構築する(クリックで拡大します) |
アドビがAdobe エンタープライズ・デベロッパー・プログラムの国内版で主に支援するのはQPACの開発。Adobe LiveCycle Workflowはアドビ製品などから抽出したQPACを一部実装しているが、ほかの業務アプリケーションに対応したQPACは新たに開発する必要がある。アドビはQPACを開発するためのEclipseプラグインなどの開発キットも提供し、QPACの開発を促す。
デベロッパー・プログラムは有償の見通し。米国では年間1495ドルで、すべてのAdobe LiveCycle製品、開発キットが利用でき、無制限のサポートが受けられる。アドビのエンジニアとの定期ミーティングにも参加可能で、製品への要望を伝えることができるという。
(@IT 垣内郁栄)
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アドビシステムズ
Adobe LiveCycle開発者センター
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