普及はイメージ次第? WindowsベースのホスティングをMSが支援

2005/10/26

 マイクロソフトはWindowsプラットフォームを使った一般コンシューマ向けホスティングサービス事業の支援を本格化させる。ホスティング事業はプラットフォームにLinuxやSolarisを使うサービスプロバイダが多いが、マイクロソフトはサービスプロバイダ5社と新たに提携し、Windowsプラットフォームを使ったホスティングサービスの提供を支援する。

マイクロソフト 執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長 鈴木協一郎氏

 一般コンシューマ向けのホスティングサービスとは、インターネット上にディスクスペースを用意し、Webサイトやブログなどを開設させるサービス。ネット上のビジネスに利用するケースもあり、「年率20%の割合で市場が広がっている」(マイクロソフト 執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長 鈴木協一郎氏)。マクロミルの調査によると、国内のWebサイトのうち86%がホスティングサービスを利用していて、そのうち6割が一般コンシューマの利用だという。ホスティングサービスのユーザーのうち、7割は月額1000円以下のサービスを利用するなど低価格化も進んでいる。

 マイクロソフトはホスティングサービスへの取り組みで遅れていた。ネット上で低価格なサービスを展開しているホスティングサービスの大半は非Windows。鈴木氏は出遅れた要因を、「ユーザーの中にセキュリティやパフォーマンスなどWindowsプラットフォームに対する不安や、使いやすいアプリケーションがあるのかという不安がある。手ごろな価格のサービスがないという指摘もある」と分析した。しかし、鈴木氏は「実際の製品ではなく、イメージの問題が強い。Windows NT4.0など古いOSの認識がある」とも語り、事業者やユーザーに対する適切な説明が足りなかったと反省する。「きちんと説明すればほかのOSと比較してWindowsに不安がなく、いくつかの点でほかのOSよりも優れていることが理解してもらえる」

 マイクロソフトはこれまで非Windowsのホスティングサービスを提供してきたサービスプロバイダ5社と提携し、Windowsベースのホスティングサービスの提供を支援する。「DotNetNuke」「Community Server」などWebサイトやブログの構築、管理ツールをサービスプロバイダに無償で提供。サービス利用者が現れて初めて課金が始まるサービスプロバイダ向けのライセンス体系も適用し、「価格でも競争力があるようにする」(鈴木氏)。提携したのはカゴヤ・ジャパン、コザック、GMOホスティング&セキュリティ、データ・ジャパン、ファーストサーバ。

 共同プロモーションも展開する予定で、11月には提携した5社と共同で「スタート・マイ・ドメイン」キャンペーンを開始する。同キャンペーンでは「新規ドメイン取得無料」「月額換算1000円以下」「安心のWindowsベース」をユーザーに訴える。

(@IT 垣内郁栄)

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マイクロソフトの発表資料

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