Oracle Database、「本当にあった怖い話」

2005/11/2

 日本オラクルの執行役員 システム事業推進本部長 三澤智光氏は11月1日、日本オラクルが主催するイベント「Oracle Grid Day」で講演し、提供を開始した「Oracle Database 10g Release 2」「Oracle Application Server 10g Release 2」について「10gではDatabaseとApplication Serverのアーキテクチャを統合し、プログラムを一括監視できるようにした」と説明した。

日本オラクルの執行役員 システム事業推進本部長 三澤智光氏

 三澤氏はOracle DatabaseとOracle Application Serverを組み合わせることのメリットを強調。データベースとアプリケーションサーバが分断することで起きた「本当にあった怖い話」を明かした。「怖い」ことになったのは「ある有名なWebサイト」(三澤氏)。そのWebサイトでは新サービスのカットオーバー後にWebサイトのスローダウンが発生。ユーザー企業は新サービスを提供するネットワークやハードウェア、Oracle Database、アプリケーションサーバをそれぞれ疑い、オラクルをはじめとする関係するベンダに相談した。しかし、いずれも「原因は不明」との回答だったという。

 そこでユーザー企業は、アプリケーションプログラムを疑って、オラクルに連絡。オラクルのアナリストがOracle Database、アプリケーションサーバのプログラムをすべてチェックして不備を発見した。本来であればプログラムを改修するところだが、サービスがすでにカットオーバーしているため、停止は難しかった。オラクルはOracle Databaseをチューニングすることでなんとかパフォーマンスを確保した。Webサイトがスローダウンしてから問題発見、パフォーマンスが向上するまで3カ月かかり、「とんでもない赤字が発生していた」(三澤氏)という。

 三澤氏は問題をなかなか見つけられなかった理由を「データベースとアプリケーションサーバが分断し、システム監視も分断していたからだ」と説明した。データベースとアプリケーションサーバがそれぞれ別のアーキテクチャを採用しているため、システムの状況を一気通貫で見ることができず、問題判別まで時間がかかってしまった。

 三澤氏の主張は、Oracle Database 10g Release 2、Oracle Application Server 10g Release 2を採用すれば、このような「怖い」ことにはならないということ。アーキテクチャを統一しているので、運用管理ソフトウェアの「Oracle Enterprise Manager 10g Release 2」を使えば、プログラムごとにドリルダウンで分析してボトルネックを見つけることができる。

 Oracle Enterprise Manager 10g Release 2はボトルネックとなっているSQL文までを分析。どのようにチューニングすればボトルネックを解消できるのかというアドバイスも表示する。アプリケーションの書き換えを行わず、データベース側のチューニングで問題を解決することが可能で、「3カ月の問題が5分で解決できる」(日本オラクル システム事業推進本部 営業推進部 部長 杉崎正之氏)としている。

(@IT 垣内郁栄)

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