サイボウズのメールシステムは10年以内に全企業に入る!

2005/11/9

 サイボウズは11月7日、Webグループメールシステムの最新版「サイボウズ メールワイズ 3」の発売を開始した。サイボウズ 代表取締役社長 青野慶久氏は、「メールは会社の資産であり、個人情報保護法の観点からも全社的な管理が必要になってきた。メールワイズ 3では、代表アドレスなどに入ってくるメールを一元管理できる。このソフトは10年以内に日本のすべての企業に入っているだろう」と強気の予測をした。

サイボウズ 代表取締役社長 青野慶久氏
 メールワイズ 3は、「info@※※※.com」や「support@※※※.com」といった企業の代表メールアドレスあてのメールを共有・管理できるグループメールシステムだ。ユーザーごとに細かい権限設定が可能なので、プライバシー保護や情報漏えい対策も可能だとしている。サポートあてのメールであれば、「担当者」や「対応状況」「問い合わせ内容」が表示されるため、返信漏れや二重返信などのミスを防ぐといったCRMとしても利用できる。

 メールの対応状況管理機能では、未対応メールは未処理フォルダで管理されるため、担当者に分かりやすくなっているほか、対応中のメールは自動的にステータスが処理中に変わりロックされるので、二重対応の心配もないという。また、メール履歴も保存されているため、過去のすべての履歴を把握することが可能だとしている。そのほか、メールや電話、訪問などの履歴データをグラフ形式の集計レポートにすることができるため、商品別のクレーム件数や担当者ごとの返答回数・処理残数なども集計できる。

 また新バージョンでは、各システムやメールアプリケーションごとに「閲覧はできるけれども、上司の承認がなければ送信はできない」といった細かい権限設定が可能になった。メール送受信数の上限目安も従来は10万件だったが、「ユーザーからこれでは少ないと指摘を受けた」(青野氏)ことから、10万件を超えた場合には過去のデータを同じサーバ内に退避させて負荷を減らす仕組みを採用した。また、一定時間を過ぎた未対応メールがある場合にアラートを送付する機能や、メール本文から顧客情報を自動的に取り込む機能、テンプレート候補を自動選択する機能、あいまい検索機能などが追加された。

 青野氏によると、メールワイズ発売後の約2年間で578社、636部署に採用されており、売り上げも2003年2月〜2004年1月の3900万円から、2004年2月〜2005年1月には2.7倍の1億700万円まで拡大したという。同社はメールワイズ 3の発売から、従来の直販のみから、大塚商会やNECなどのパートナー企業による間接販売も開始し、販売本数の増大を狙う。また、従来の価格が3ユーザー版19万8000円、5ユーザー版29万8000円だったところを、3ユーザー版9万8000円、5ユーザー版14万8000円にそれぞれ約半額に値下げし、今後1年間で新たに600社への導入を目指す。

 青野氏は、「このソフトウェアは、中小企業の販売業、特に楽天などに出店しているサポート要員が2〜3名の企業に向いているだろう。実際に3ユーザー版と5ユーザー版で売り上げの60%を占めている。今回の大幅値下げによって10万円を切り、中小企業でも手をだしやすい価格帯になったと自負している。現在CRMパッケージソフトの出荷本数で、メールワイズはソフトブレーン製品に続いて第2位だが、メールワイズ 3では一気に1位に踊り出たい」と語り、意気込みを示した。

(@IT 大津心)

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サイボウズの発表資料

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