なぜか中規模企業に売れるサイボウズ ガルーン

2004/9/4

 サイボウズの2005年1月期中間期連結決算(2-7月)は売上高が前年同期比27%増の14億7600万円となった。同社の代表取締役社長 高須賀宣氏は「サイボウズ Office/AG、サイボウズ ガルーンとも継続顧客の売上高が好調だった」と述べたうえで、「予想以上にサイボウズ ガルーンが中規模の企業に売れている」と述べ、従来の大企業だけでなく中規模企業をターゲットにした販促を行っていく考えを示した。

サイボウズ 代表取締役社長 高須賀宣氏

 営業利益は前年同期比55%増の2億5200万円、経常利益は64%増の2億6200万円。純利益は1億2200万円だった。いずれも期初の予想を上回った。

 売り上げのアップはガルーンの貢献が大きい。売り上げに占めるガルーンの比率は前年同期が20.5%。それが今期は22.1%まで増えた。Office/AGは73.3%から66.7%に比率を減らした。またデータベース製品、CRM製品も売り上げを伸ばした。

 一方でガルーンの新規顧客獲得は苦戦した。既存顧客からの売り上げは予想を上回ったのに対して、新規顧客からの売り上げは予想を下回った。期初にはガルーンの新規顧客で2億7892万円の売り上げを見込んでいたが、2億620万円にとどまった。新規導入部門数も225部門の予想を下回り、146部門だった。Office/AGは新規顧客、既存顧客とも予想を上回った。

 サイボウズはガルーン、Office/AGのさらなる売上増を目指し、タテとヨコの拡張を試みている。タテとはガルーンを中規模企業に適用すること。ヨコへの拡張とは携帯電話などPC以外のクライアントへの対応と、海外進出だ。携帯電話対応ではサイボウズは2004年7月に携帯電話対応のグループウェア「サイボウズ いっつもバイル」の無償提供を開始した。今冬にも有償版の提供を始める予定だ。海外については中国などアジア圏への進出を検討しているようだ。

 高須賀氏はまた、Office/AGとガルーンの新バージョンの提供について「開発中。来期には新バージョンが出てくる」と述べた。

(編集局 垣内郁栄)

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サイボウズの発表資料

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