OSSの評価基準を明確化、IPAと日本OSS推進フォーラム

2005/11/17

日本OSS推進フォーラム 開発基盤WG 主査 鈴木友峰氏

 独立法人情報処理推進機構(IPA)は11月16日、オープンソースソフトウェア(OSS)の性能・信頼性評価手法(評価手順書と環境定義書)と障害解析支援ツールのバージョンアップを公開したと発表した。このプロジェクトは2004年度から引き続いて実施されたもの。日本OSS推進フォーラムの開発基盤ワーキンググループと連携している。

 2004年度の成果は、OSSを業務システムに用いる際に必要となる性能・信頼性評価手順、評価環境などを定めた文書の作成で、2005年3月に公開された。これらの文書は英語版もあり、累計15万件のダウンロード実績がある(2005年9月末)。

 2004年度の成果を踏まえ、2005年度は、最新のカーネルと従来のカーネルの信頼性比較評価、クラスタ構成をとった場合のPostgreSQL、MySQLの性能・信頼性評価を行い、結果と考察を手順とともに公開した。また、クラスタ化、64ビットOSを用いた時のメモリ増強など、システム構成に手を入れた場合にOSSが適用可能になる領域も明らかにした。手順・評価文書の作成に加えて、障害解析ツールの開発も行い、実際に活用した事例も合わせて公開した。

 日本OSS推進フォーラム 開発基盤WG 主査 鈴木友峰氏は、「LinuxおよびOSSミドルウェアは着実に進歩している。OSSは開発方式次第で今後も(商用ソフトに劣らない)発展が期待できる」と話した。

 OSSの評価基準が明確になったことで、開発者はこれを評価尺度として利用しながら開発作業を進めることができる。また、ユーザーにとっては、OSS導入前に導入後の効果を測定する1つの判断基準を得られることになる。

(@IT 谷古宇浩司)

[関連リンク]
IPA
日本OSS推進フォーラム

[関連記事]
IPAがスーパークリエータを認定、「末恐ろしさを秘めている」 (@ITNews)
ITSS Ver.2はユーザー本位? IPAが2006年3月に公表へ (@ITNews)
IPAの新組織「SEC」で"日の丸ソフト"の夜は明けるか (@ITNews)
ITSSは誤解されている、ITSSユーザー協会 (@ITNews)
ITSSに対応した独自のスキル標準、その先にあるものは? (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)