SQL Server 2005、Visual Studio 2005発表、提供開始は12月

2005/11/18

 マイクロソフトは11月17日、「SQL Server 2005 日本語版」「Visual Studio 2005 日本語版」の開発を12月15日に完了し、同日中にVisual Studio with MSDN Subscriptionの会員向けにテスト、デモンストレーション用製品をWebダウンロードで提供開始すると発表した。ボリュームライセンスとパッケージの販売は2006年2月から順次。同日会見した米マイクロソフトのCEO スティーブ・バルマー(Steve Ballmer)氏は競合製品に対する優位を強調したうえで、「Windows、SQL Server、.NETは、間違いなく、どんなミッションクリティカルな仕事に対してもReadyになる」と述べた。

 SQL Server 2005、Visual Studio 2005は企業のミッションクリティカル業務や大規模プロジェクトへの製品の浸透を目指すマイクロソフトの戦略製品。SQL Server 2005は大規模システムに対応するためパフォーマンスを向上させ、レポーティングなどのビジネス・インテリジェンス(BI)の機能を搭載した。.NETの開発環境を組み込んでいて「データベースのコードを.NETで書くことができる」(バルマー氏)。

「SQL Server 2005 日本語版」「Visual Studio 2005 日本語版」を発表した米マイクロソフトのCEO スティーブ・バルマー氏

 Visual Studio 2005は開発者が書くコードを最大で70%削減。テストツールなどの機能も充実させ、ソフトウェア開発のライフサイクル全般をサポートできるようにした。大規模開発向けのエディション「Visual Studio 2005 Team Foundation Server」は2006年前半中に完成させる予定。バルマー氏が「プロセスの自動化にフォーカスした」と説明する「BizTalk Server 2006」も、2006年前半に完成させる計画だ。

 バルマー氏はSQL Serverや.NETと競合の製品を比較して、マイクロソフトのミッションクリティカル市場への浸透を強調した。IDCの調査によるとミッションクリティカル・アプリケーションのプラットフォームのシェアは、J2EEが25%なのに対して.NETが35%。また、同じくIDCによると出荷数はIBM DB2が7万2000、Oracle Databaseが24万5000であるのに対してSQL Serverは40万6000として、「これまでまったく相手にされなかった.NETやSQL Serverが、ナンバー1になっている」と述べた。

 講演には、富士通の代表取締役会長の秋草直之氏や、日本ヒューレット・パッカードの代表取締役社長 小田晋吾氏らが登場。秋草氏は富士通が4月に発表した基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」(プライムクエスト)を紹介し、「プライムクエストのハードミラーリングと、SQL Server 2005のデータベース・ミラーリングを組み合わせることで、メインフレーム以上の信頼性を持てる」と述べた。

富士通の代表取締役会長 秋草直之氏。「ミッションクリティカル分野でマイクロソフトとWin-Winの関係を作りたい」とあいさつした

 バルマー氏はユーザーからの強い支持を受けていることも強調した。特にSAPのユーザーでは日本航空と富士写真フイルムが今後、SQL Server 2005に移行すると発表した。バルマー氏は日本国内でのSAPの新規導入のうち、81%がWindowsプラットフォームを選択し、54%がSQL Serverを使っていることを指摘し、「Windowsの品質の高さを物語っている」と述べた。

 マイクロソフトはOracle Databaseなど競合のデータベースからSQL Server 2005に移行する顧客のライセンス価格を、最大で50%引きにするキャンペーンを始めるなど顧客獲得に最大限の力を入れる。同時にホビーユーザーや学生、Web開発者向けに提供するSQL Server 2005、Visual Studio 2005の無償版製品「Express Edition」も12月中にWebダウンロードで提供開始するなど、すそ野の拡大にも努める。

(@IT 垣内郁栄)

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