SQL Server、Visual Studioは11月17日発表、攻勢強めるMS
2005/8/4
マイクロソフトの代表執行役 社長のダレン・ヒューストン(Darren Huston)氏は8月3日、横浜で開催中の同社主催のイベント「Tech・Ed 2005 Yokohama」で講演し、開発中の「SQL Server 2005」「Visual Studio 2005」「BizTalk Server 2006」について「国内で11月17日に発表する」と述べた。米国では11月7日に発表する予定で、マイクロソフトが最重要製品と位置付けるSQL Server 2005、Visual Studio 2005の年内出荷が確定的になった。
マイクロソフトはSQL Server 2005、Visual Studio 2005の出荷で企業のミッションクリティカル分野への進出を加速する考え。そのため、ミッションクリティカル分野で先行するオラクル、IBMなどとのシェア、コストの比較が講演では目立った。ヒューストン氏は、Windowsプラットフォーム上での国内データベースの出荷数シェアで、SQL Serverが2002年の48.5%から51.3%に伸長したことを説明。「オープンスタンダード、相互接続性が評価され、本数ベースでOracle、IBM DB2を上回った」と述べた。
米マイクロソフトのデベロッパー本部 コーポレートバイスプレジデント S.ソマセガー氏 |
米マイクロソフトのデベロッパー本部 コーポレートバイスプレジデント S.ソマセガー(S. Somasegar)氏もワールドワイドのデータベースシェアを紹介。売上金額シェアではマイクロソフトはIBM、オラクルに続く3番手だが、ライセンス数ではトップだとして「私はユニット数でのリーダーであることが重要であると考える」と述べた。
デモンストレーションもミッションクリティカル分野での利用を想定した内容が多かった。ソマセガー氏はVisual Studio 2005の機能紹介として、チーム開発やテストなど大規模プロジェクトでの利用を前提にしたデモを実施。「Webアプリケーションやスマートクライアント開発の大半でコードを50〜75%削減できる」と生産性の高さを強調した。マイクロソフトはVisual Studio 2005の日本語プレビュー版を8月10日に提供開始することも発表した。開発コミュニティの「Visual Studioユーザーグループ」も支援する。
SQL Server 2005ではビジネスインテリジェンス(BI)のデモを行った。紹介されたのは、ETL機能を提供するSQL Server Integration Serviceと、データマイニングの拡張機能。同社のサーバープラットフォームビジネス本部 マネージャ 前田隆志氏は、「われわれはすでにOLAPプラットフォームではトップベンダ。今後はETLでもトップベンダになる。またデータマイニングもユーザーの敷居を下げることで、トップベンダを目指す」と述べた。
本番系(写真右)のサーバを爆破し、待機系に処理が引き継がれることを示すデモ |
また、SQL Server 2005の運用管理もアピール。本番系と待機系を用意したシステムで、本番系がダウンしてもクライアントユーザーに気づかれないうちに処理が待機系に引き継がれる「データベースミラーリング」を紹介した。本番系をダウンさせる場面では、用意したサーバを爆破するなど派手な演出を見せた。
SQL ServerとOracleで、データベースのセキュリティ警告が何件出ているかを示すプレゼンピッチでは、SQL Serverのセキュリティ警告がOracleよりも少ないことをグラフで示した。グラフに「Unbreakable?」と書き込み、Unbreakableキャンペーンを繰り広げたオラクルを揶揄(やゆ)した。
トータルコストを競合製品と比較する説明も多かった。データベースの基本コストに運用機能、可用性機能、BI、マルチコア・プロセッサのライセンスなどを加えたトータルコストや、統合開発環境をベースにBIやテストツール、負荷テスト、変更管理、プロジェクト管理などを追加したトータルコストを、競合ベンダの製品、オープンソースソフトウェアと比較した。ソマセガー氏は、いずれもマイクロソフトが最も低コストと説明した。
マイクロソフトは同日、業務システム開発の支援で豆蔵と協業したと発表した。豆蔵はVisual Studio 2005 Team System、ソフトウェア開発の手順をまとめた「Microsoft Solutions Framework」を利用し、業務システム開発の方法論、プロセス、ツールなどをまとめた「enThology for .net」を提供する。
(@IT 垣内郁栄)
[関連リンク]
マイクロソフトの発表資料(Visual Studio 2005の日本語プレビュー版提供)
マイクロソフトの発表資料(Visual Studioユーザーグループの支援)
マイクロソフトの発表資料(豆蔵との協業)
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