日本版SOX法にらみiDC専業会社設立、三井物産子会社
2005/12/22
三井物産子会社の三井情報開発と三井物産セキュアディレクション(MBSD)は12月21日、合弁でインターネット・データセンター(iDC)事業を行う新会社MKIネットワーク・ソリューションズを12月7日付で設立したと発表した。2006年1月4日に営業を開始する。三井情報開発のiDC事業を新会社に移行し、日本版SOX法をにらんだ新しいサービスをメニュー化するなど、既存サービスに付加価値を加えた「Beyond iDC」を目指すという。
MKIネットワーク・ソリューションズの代表取締役に就任した石黒太郎氏 |
MKIネットは三井情報開発が75%、MBSDが25%出資する。資本金は2億円。MBSDと11月に合併したE3ネットワークスの元社長で、合併後は三井情報開発の経営企画部に所属していた石黒太郎氏が代表取締役社長に就任した。
MKIネットには、三井物産グループなど100社弱の顧客がいる三井情報開発のiDC事業が移管される。ホスティングやコロケーションサービス、監視サービス、運用管理、ヘルプデスクなどの既存サービスを引き続き提供。同時にMBSDからのスキルトランスファーを受けてファイアウォール監視や侵入・改ざん検知、脆弱性診断などのセキュリティサービスを強化する。「これからはセキュリティを売りにし、付加価値が高いiDCサービスを提供する」(石黒氏)としている。
MKIネットが力を入れるのはiDCを使った内部統制サービスの提供。業務アプリケーションやセキュリティ機器などをリモート監視し、事前に定めたポリシーに違反する動作があった場合に警告を出したり、顧客にレポートする内容になるとみられる。パートナー企業と協力し、企業のクライアントPCの動作を監視するサービスも検討している。サービスをメニュー化し、2006年2月にも発表する予定。石黒氏は「顧客環境のどこまでを監視の範囲とするかが新サービスの検討課題の1つ」と述べた。
また、石黒氏は「日本版SOX法のニーズを現場で体感している。企業がどれだけ大変な思いをして会計や運用管理の統制をしていかないといけないかを肌で感じた」と述べ、三井情報開発の内部統制に関するノウハウが新会社で生かせることを強調した。
三井情報開発の旧iDC事業は売り上げが約12億円で、税引後利益が約1億円。MKIネットでは2007年3月期に売り上げ18億円、税引後利益1億5000万円に伸ばすことを目指す。石黒氏は「三井情報開発ではできなかったいろいろなパートナー企業とのアライアンスを実現し、売り上げを伸ばす」と説明した。
(@IT 垣内郁栄)
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