ILMで法令遵守とコスト減、日本HPがストレージ管理の新製品
2006/1/25
日本ヒューレット・パッカードは1月24日、業務アプリケーションに接続したデータベースの稼働中のデータ(プロダクションデータ)の中から長期更新されていないデータをポリシーで識別し、別のストレージに移動させる情報ライフサイクル管理(ILM)の新ソフトウェア「HP StorageWorks Reference Information Manager for Databases」(RIM for DB)を発表した。出荷は2月下旬で価格は1785万円から。
日本HPのエンタープライズストレージ・サーバ統括本部 ストレージ・ワークス製品本部 本部長 渡辺浩二氏 |
日本HPのエンタープライズストレージ・サーバ統括本部 ストレージ・ワークス製品本部 本部長 渡辺浩二氏は「データ容量の増大やディスク技術の変化、日本版企業改革法(日本版SOX法)などコンプライアンス対応への要求などでストレージが単なる箱からソリューションとして注目を集めている」と指摘。そのうえで「この変化はデータをどう管理するかに関係する。データの重要度に応じて保存するストレージを動的に使い分けるILMが重要になる」と述べた。
RIM for DBはOracle E-Business Suite(Oracle EBS)やPeopleSoft Enterprise、SAP Business Intelligenceなどのプロダクションデータの中から長期間にわたって更新されず、参照しかされていないリファレンスデータを識別し、ハイエンドで高コストのストレージから低コストのストレージに自動で移す。更新されていない期間の設定などはデータベースのテーブルごとに可能で、実際に移動するのはレコード単位。対象となるデータベースはOracle9i。
低コストのストレージに移動されたデータはアプリケーションから透過的にアクセスできるが、更新はできなくなる。「データの一部を外出しすることでパフォーマンスを向上させ、ストレージ管理全体のコストを削減する。コンプライアンスとコスト削減を両立させる」(渡辺氏)
RIM for DBが利用できるアプリケーションは、Oracle EBS 10.7/11/11i、PeopleSoft Enterprise 7.5/8.0/8.4/8.8/8.9、SAP Business Intelligence 4.0。ほかにOracle 8.1.7/9.2.0.4/9.2.0.5、Sybase ASE versionの上で稼働するカスタムアプリケーションに対しても対応できる。対応するストレージはHP製のHP StorageWorks XP、HP StorageWorks EVA、HP StorageWorks MSA。日本HPは2006年4〜6月にRIM for DBの新バージョンを出す計画。このバージョンで最新の業務アプリケーションやマイクロソフトのSQL Server、Oracle 10gなどに対応するという。日本HPでは製造業の顧客などをメインターゲットにし、年間1億円程度の売り上げを目指す。
日本HPは同日、Windowsベースのファイルサーバ環境でポリシーベースのファイル移動を行うソフトウェア「HP StorageWorks File Migration Agent」も発表した。出荷は2月下旬で価格は80万6400円から。あらかじめ設定したポリシーに応じて元のデータをストレージに残しながら、そのコピーを別のストレージに自動で作成できる。
(@IT 垣内郁栄)
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