企業はスパイウェアによる情報漏えいを警戒するべき〜CA

2006/2/2

 CAジャパンは2月1日、スパイウェア対策製品とウイルス対策製品を1つにまとめたスイート製品「CA Integrated Threat Management r8 日本語版」(以下、ITM)を発表した。3月上旬より出荷を開始する。

 ITMは、同社のスパイウェア対策専用ソフトウェア「eTrust PestPatrol Anti-Spyware Corporate Edition r8 日本語版」とウイルス対策専用ソフトウェア「eTrust Antivirus r8 日本語版」を統合したスイート製品。Webベースの管理コンソールから一括管理できる点が特徴だ。

早稲田大学 客員教授 前川徹氏
 早稲田大学 客員教授 前川徹氏は、「スパイウェアの脅威は急増しており、2005年には6191件に上り、2006年には1万件を超えるといわれているほどだ。企業にとって、スパイウェアの最大の脅威は情報が盗まれることだ」と説明した。このようにスパイウェアの脅威が増大しているのにもかかわらず、スパイウェア対策専用ソフトをインストールしている企業はわずか7.6%にすぎず、簡易版のスパイウェア対策ソフトでも導入率は36.4%だった。前川氏は、「いまのところ、スパイウェアによる被害はポップアップ広告程度しか経験していない企業が多いが、今後は金銭的被害が増大することが予想される。また、スパイウェアによる情報漏えいは気付かないことがほとんどだ」と警告した。

 ITMは、16万種以上のスパイウェアに対応しているほか、ウイルスのスキャンエンジンも2種類のエンジンを積んで検出率を上げている点が特徴だ。統合された管理コンソールで両方を一括して管理することもできる。スパイウェア対策では、メモリやCookieのスキャンをリアルタイムで行えるほか、誤検知を減らすために通常業務で利用するアプリケーションなどをスキャンから除外する設定が可能だ。また、シグニチャの更新頻度を週1回から1日1回更新に変更した。一方で、ネットワーク内にシグニチャの再配布サーバを設置することで社内のネットワーク負荷を低減できるようにしたという。

CAジャパン 営業本部 本部長 藤岡健氏
 CAはキャンペーンとして、スパイウェア対策の導入を検討している企業などを対象に、実際に企業内PCのスパイウェアを検知・診断して報告する「スパイウェア診断サービス」を展開するほか、他社製品からの乗り換えキャンペーンも実施する予定だとした。

 CAジャパン 営業本部 本部長 藤岡健氏は、「ウイルス対策ソフトウェアの市場はすでに成熟しており、製品間の差別化は難しい。一方、スパイウェア対策機能は、当社はスパイウェア専門のPestPatrolを買収したことで、専用ソフトウェアを手に入れた。この点を訴求することで乗り換えを促進し、初年度40億円の売り上げを目指したい」と目標を語った。

(@IT 大津心)

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CAジャパンの発表資料

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