802.11nはもう使える技術、アセロス
2006/2/17
アセロス・コミュニケーションズは2月16日、IEEE 802.11nドラフト準拠の無線LANチップセット「AR5008」の日本国内におけるサンプル出荷を開始したと発表した。米国では1月に限定的なサンプル出荷を開始済み。
米アセロスの社長兼CEO、クレイグ・バラット(Craig Barrat)氏は、今年の第2四半期に同チップセットを採用した家庭向けネットワーク製品が登場し、その後企業向けネットワーク製品、家電製品へと広がり、「802.11nは今年中にメインストリームの技術になる」と語った。
米アセロスのクレイグ・バラット社長兼CEO |
IEEE 802.11n規格はMIMO(多重送受信)などを用いて最大約600Mbpsの伝送速度を目指す無線LAN技術。標準化作業は主に2陣営に分かれた対立により難航し、2006年1月にようやくドラフト段階に達したばかり。標準化作業が完了するのは2007年前半と見られている。
「しかし、ドラフトが全会一致で採択されたことからしても、今後重要な仕様変更がなされることは非常に考えにくい。802.11gでもドラフト段階で多くのベンダが製品を出荷したが、そのまま標準になった」(バラット氏)
アセロスが発表したのは、3つの無線機能を1つのCMOSに統合し、これとMAC/ベースバンド・チップを組み合わせた2チップ構成の製品。3つの無線機それぞれがアンテナを持ち、同時に通信するため、アンテナを切り替えて使う既存のMIMOに比べ、アクセスポイントから離れた地点でのスループットが大きく向上するとしている。
バラット氏は、無線LANが今後家電製品や携帯電話などのモバイル端末に普及し、やがては年間数百億台規模の市場をつくっていくだろうと話した。
(@IT 三木泉)
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