スパイウェアまん延前、「嵐の前の静けさ」、ウェブルート
2006/2/21
ウェブルート・ソフトウェア テクニカルサポート ディレクター 野々下幸治氏 |
米ウェブルート・ソフトウェアが四半期ごとに発表する「State of Spyware」(SoS)レポートによると、スパイウェアの被害は世界的に増加傾向にあるようだ。
同レポートによると、過去3四半期のなかで、企業における「システムモニタ」(スパイウェアの一種)の感染が四半期ごとに約50%増加、企業向けアンケートでも全体の54%がスパイウェアによってビジネスの妨害を経験しているという結果が出た。
一方、個人の場合、スパイウェアの感染率は2005年の91%を頂点として2005年は81%と若干減っている。ウェブルート・ソフトウェア テクニカルサポート ディレクター 野々下幸治氏は「個人のスパイウェア対策が進んでいることの現れかもしれない」とコメントするが、その要因は明らかではない。トロイの木馬やシステムモニタのような悪意あるスパイウェアの感染は増えており、スパイウェアのなかには日本語のインストールサイトが用意されているものもあるため、今後は増える可能性が高いというのが同社の分析だ。
スパイウェアの脅威も進化していると同社は警告する。
ルートキットに利用されている技術がスパイウェアに“悪用”され、ルートキットとトロイの木馬との境が不明確になってきているという状況がある。また、ポリモーフィックエンジンやウイルスの感染手法、トロイの木馬のコードをベースとするスパイウェアを検知するためには、新しい検知技術や削除技術の開発も急ぐ必要がある。このような現状を同社 代表取締役の井上基氏は「嵐の前の静けさ」と表現し、2006年以降の金銭目的によるスパイウェアの増加を示唆した。
(@IT 谷古宇浩司)
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