ストレージ仮想化はリアルとの融合が課題〜EMC
2006/2/22
EMCジャパンは2月21日、ユーザー向けのセミナーを東京都内で開催した。EMCジャパンは2月9日に、仮想化関連を含む4つのストレージ関連製品を発表したばかり。セミナーでは新製品を紹介しながら、ストレージの物理的統合と論理的統合の使い分け、およびこの2つの一元管理の必要性を訴えた。
EMCジャパン マーケティング&パートナー営業統括本部長の古谷幹則氏 |
同社マーケティング&パートナー営業統括本部長 古谷幹則氏は、「情報量の増大と各種規制によるTCOの増大に対処するためには、物理的、論理的双方の情報統合が必要だ」と語った。
EMCはサーバ、ストレージネットワーキング、ストレージのそれぞれの分野で、仮想化関連の新製品を積極的に投入してきた。ストレージネットワーキングでは、ファイルレベルの仮想化を実現する「EMC Rainfinity Global File Virtualization」、ブロックレベルの仮想化を担うのは「EMC Invista」だ。Invistaは、ストレージへのアクセスを抽象化することにより、計画停止時間の短縮化や無停止といったニーズに応えることを狙っている。
ソフトウェアで動作するストレージ仮想化アプライアンスは、パフォーマンスの限界があり、大規模な導入に適していない、とEMCは強調する。Invistaはブロケード、シスコシステムズ、マクデータのストレージネットワーク機器を活用しつつ、拡張性の高いストレージ間のデータ移行や複製を可能にするという。
ストレージ仮想化技術の進展により、論理的なストレージ統合が実現しやすくなったが、物理的にデータが散在したままではトラブル時の対応が困難であるなど、管理コストは増大しがちになる。
そこで、物理的なストレージ統合のためにEMCジャパンが発表した新製品が「EMC Symmetrix DMX-3」。同社ストレージ製品のSymmetrixシリーズの最上位機種で、最小構成では96ドライブからスタートでき、ニーズに応じて2400ドライブまで無停止で容量を拡張していくことができる。低価格なファイバーチャネル・ドライブにも対応しており、こうしたドライブを活用して、単一きょう体内で階層型ストレージを構成することも可能。コストパフォーマンスよく、必ずしも予測しきれない情報量の増大に対応できることを目指している。
古谷氏は、ストレージ仮想化における運用上の問題として、「物理的存在と論理的存在を連携させた形で管理し、問題の原因を究明すること」を挙げた。EMCでは発生中の問題の原因から物理トポロジー、アプリケーショントポロジー、業務への影響度までを切り替えてモニタリングすることのできる管理製品を持っており、「仮想化製品を提供している企業はいくつかあるが、仮想化されたインフラの管理までを提供できるのはEMCだけ」と話した。
(@IT 三木泉)
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