1000億円企業に、新生シマンテック船出は「予想以上に順調」

2006/4/12

 旧ベリタスソフトウェアの日本法人を正式統合したシマンテックの代表取締役社長 木村裕之氏は4月11日会見し、大企業向け直接営業の強化やパートナー企業の支援で、2010年にも1000億円の売上高を目指すと発表した。新会社は「予想以上に順調な船出」といい、4月1日に始まった同社の2007年度は、コンプライアンスやメッセージ管理、統合脅威管理に特に注力する。

シマンテックの代表取締役社長 木村裕之氏

 大手顧客向けには、各業種からトップ企業を200〜300社選別し、シマンテックが直接営業を行う。幅広い製品ラインアップで、顧客企業のニーズに応えることができるのをアピールする考え。販売はパートナーが行う。木村氏はシマンテックを「ITインフラ全体の相談に乗れるユニークな会社」と説明した。

 パートナー企業向けの支援では、「ハイエンド向けが強かったベリタスのパートナーに対してシマンテックのセキュリティ製品を勧める。ミッドレンジ向けが強かった旧シマンテックに対しては旧ベリタスのアベイラビリティ製品を提案する」(木村氏)といい、たすきがけ戦略を採る。パートナー向けプログラムも刷新し、拡大を目指す。

 製品とは別に新生シマンテックが事業の柱に育てたいのがコンサルティングなどのサービス事業。コンサルタントは2倍の70人規模にする予定で、日本版SOX法対策のコンサルティングサービスなど企業のCIO、CSOをサポートするサービスを展開する。情報システムのモニタリングなどxSP向けサービスも拡充する。サービス事業は主にパートナー企業と協力して進める。

 力を入れるソリューションは3つだ。「ITコンプライアンス」ではポリシーコントロールやエンドポイントのコンプライアンス管理、文書管理の製品を組み合わせて、「コンプライアンスにおけるインフラ、インフォメーション、インタラクションの保護」(同社 執行役員 マーケティング本部長 チャールス・ニキエル氏)を訴える。また、「メッセージマネジメント」では、電子メールやインスタント・メッセージのセキュリティを保護する製品を用意して、メッセージングのインフラや情報自体、連携を保護できるようにする。さらに「統合脅威管理」では外的脅威からの保護を提供する。

 発表したソリューションはいずれも旧シマンテック、旧ベリタスの製品で構成する。その意味では新鮮味はない。しかし、ターゲットを明確にし、売っていくソリューションを強く打ち出すことは、新会社に統合感を与える。社内体制の整備やパートナーとの協業モデルも作りやすくなるだろう。

(@IT 垣内郁栄)

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シマンテック

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