シマンテックが新サービス「Genesis」発表、そして「Security 2.0」へ
2006/2/15
シマンテックは2月14日、統合セキュリティサービス「Genesis」(開発コード名)を今秋に国内で提供開始することを明らかにした。同社のアンチウイルス製品など既存製品を統合し、ユーザーにトータルなセキュリティ対策を提供する。PCにインストールすれば設定変更が不要なのが特徴で、米シマンテックのシニア・ディレクタ デイビッド・フリーア(David Freer)氏は、複雑な設定を敬遠してセキュリティソフトウェアをインストールしないコンシューマユーザー向けに提供する考えを示した。
米シマンテックのアジア パシフィック&ジャパン コンシューマおよびスモールビジネス担当 シニア・ディレクタ デイビッド・フリーア氏 |
Genesisはアンチウイルス、スパイウェア対策などの「システムセキュリティ」と、オンライン取引を安全にする「トランザクションセキュリティ」、データのバックアップ/リカバリ、PC最適化などの「PCメンテナンス&サポート」、デジタルコンテンツ保護の「デジタルコンテンツ・セキュリティ」の4分野について機能を提供する。システムセキュリティやPCメンテナンス&サポートの機能はシマンテックの既存製品のカバーとも重なるが、フリーア氏は「Genesisは寄せ集めではなく、まったくの新製品」としている。
Genesisには電話や電子メール、インスタントメッセージングによるサポートサービスも含まれる。バックアップ機能ではシマンテックが1GB分のオンラインバックアップ領域を用意する。価格は未定だが、これらすべてのサービスが包含される予定。アンチウイルスの定義ファイルのアップデートなども価格に含まれる。年間利用料や月額利用料などの価格プランが検討されると見られる。ノートンブランドで製品化する。
Genesisの目玉機能はトランザクションセキュリティになりそうだ。ショッピングサイトなどのオンライン取引にかかわる個人情報を保護する機能。フィッシングサイトなどの詐欺サイトと、トロイの木馬、キーロガーなどのクライムウェアに対応する。詐欺サイトへの対応では、URL分析やコンテンツ分析、ページのレイアウト分析、Webサイトの記述の分析などで、不正サイトを検出する。シグネチャが不要の検出方法のため、未知の不正サイトにも対応できるという。
クライムウェア対策でも、既知のクライムウェアを検出するシグネチャベースの機能に加えて、クライムウェアのコードの振る舞いを見て不正を検出する機能を搭載する。ユーザーが個人情報を送信してしまうのを防止できるという。トランザクションセキュリティの機能は、単体製品としても今夏に発表する予定。
シマンテックはGenesis以降のセキュリティ対策の方向性として「Security 2.0」と名付けたビジョンを提唱している。Security 2.0が狙うのは人と人の信頼を確立すること。各ユーザーやサービスを提供する企業を登録したデータベースを構築し、お互いが本人確認することなどを想定している。フリーア氏はコンセプト例として、Webブラウザ上でコンテンツサイト、電子商取引サイトの信頼度がリアルタイムで分かるシステムを紹介した。
(@IT 垣内郁栄)
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米シマンテックの発表資料
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