DDS、周波数解析法を使ったUSBメモリ型指紋認証ユニットを発売
2006/4/21
ディー・ディー・エス(DDS)は4月20日、認証アルゴリズムに独自の周波数解析法を採用したUSBメモリ型指紋認証ユニット「UBF-mini」を6月15日から出荷すると発表した。
DDSが発表したUSBメモリ型指紋認証ユニット「UBF-mini」 |
周波数解析法は、DDSと名古屋工業大学大学院の梅崎太造教授が考案した認証アルゴリズムで、指紋登録成功率100%を実現した。周波数解析法はスペクトル分析の1つであるケプストラム分析によって2次元の指紋情報を1次元の時系列信号に変換する。周波数解析法のユニークな点は、音声処理の技術を応用して画像処理を行っている点だ。具体的には、指紋のパターンを水平にスライスした断面データに、フーリエ変換、逆フーリエ変換などを実施し、個人の特徴を強調した形で波形にする。この波形からは指紋データを復元できないのが特徴の1つだ。
指紋を使ったバイオメトリクスには、刑事ドラマなどで目にするような指紋画像同士を照合するパターンマッチング法や、指紋の特徴点を抽出したデータを照合するマニューシャ法が使われている。これらの方法では、肌の乾燥や磨耗、手荒れなどで2〜5%のユーザーが指紋を登録できないという。2〜5%といえば少ないと感じるかもしれないが、社員1000人規模の企業では20〜50人が指紋認証を利用できない計算となる。周波数解析法は指紋登録成功率100%を実現、この問題を解決している。
DDSではすでに「UBF-blue」という指紋情報データベース連動型の指紋認証システムを出荷している。指紋データはサーバで一元管理されるため、指紋読み取りセンサーを設置したデスクトップPCを複数のユーザーで共有できる。今回、発表したUBF-miniでは、USBフラッシュメモリの中に指紋データを保管するので、指紋データを企業や組織に預ける集中管理に抵抗感を持つユーザーや、モバイルPCへの普及を狙っている。
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DDSの発表資料(PDF)
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