新“京ぽん”のターゲットは40代サラリーマン?
2005/9/28
ウィルコムは9月27日、新しい音声端末4機種と新サービス「データ定額」を発表した。新機種は11月中旬より順次発売し、データ定額サービスは11月下旬よりサービスを開始する。ウィルコム 代表取締役社長 八剱洋一郎氏は「いままで顧客の不満の上位には、ラインアップの少なさが挙げられていた。今回の新機種リリースでその不満を解消できるだろう。売上増にもつながる」と自信を見せた。
ウィルコム 代表取締役社長 八剱洋一郎氏 |
この新しい方向性を受けて、新端末では「データ通信速度の向上」「インターネット関連の対応力向上」「カメラや液晶の画質向上」などを目指したという。新端末は主に通話メイン派をターゲットとし、基本機能に絞った「300シリーズ」1機種と、通話メイン派と通信機能重視派に訴求するために機能を充実させた「310シリーズ」3機種を発表した。
発表された4種類の新機種とそのカラーバリエーション |
300シリーズでは、京セラ製「WX300K」を用意した。35万画素カメラと1xパケット通信(下り最大32kbps)を搭載。Operaブラウザを搭載してフルブラウジングを可能にした。また、データフォルダを8Mbytesに拡大したほか、セキュリティ機能として紛失時などに有効なリモートロック機能も利用できるようになった。
310シリーズでは、京セラ製「WX310K」、三洋電機製「WX310SA」、日本無線製「WX310J」を用意。WX310Kは「Bluetooth1.2」や「Java(MIDP2.0)」を搭載したほか、音楽再生機能や4xパケット(下り最大128kbps)通信機能、130万画素カメラを備え、「インターネットに強いネットケータイ」(八剱氏)を狙ったという。WX310SAは、JavaやNet Front V3.3、ICレコーダ機能などを搭載し、ビジネスやプライベート両方で使えるケータイを意識した。WX310Jはカメラ機能を搭載しないビジネス指向のタイプで、指紋認証やリモートロックなどのセキュリティ機能を強化した点が特徴だ。八剱氏は、「今回発表した4機種は、すべてPC接続機能やフルブラウザ機能、QVGA液晶などを搭載している。価格は基本的にオープンプライスだが、店頭予想価格は300シリーズが1万円前後、310シリーズが2〜3万円程度ではないかと予測している」と語った。
また料金体系を一新し、3月に発表した音声定額制の音声サービス「ウィルコム定額プラン」に加えて、パケット通信料定額サービス「データ定額」を発表した。データ定額は、4xパケットデータ通信に対応したパケット通信料定額制サービス。ウィルコム定額プランを利用しているユーザーが対象で、オプションとし申し込むことができる。
音声端末単体でデータ通信した場合の料金は、10万パケットまでは1050円で、10万パケットを超えた分は1パケット当たり0.0105円で推移し、上限は3800円。ウィルコム定額プランを利用することが前提なのでウィルコム定額プランの基本料金2900円を加えた請求金額は月額6700円だ。一方、音声端末をパソコンに接続し、パソコンでデータ通信をした場合には料金の上限が月額6300円に上がる。この場合の請求金額は月額9200円となる。八剱氏は、「当社の『つなぎ放題[4x]』利用者(約17万人)の月間の平均データ量は421万パケットだ。携帯電話は従量課金方式のため、421万パケットを利用すると30万円を超えるが、当社サービスでは9200円で済む」と語り、料金に自信を見せた。
最後に八剱氏は「Javaを搭載したことにより、ゲームなどが利用できるようになったほか、ビジネスアプリケーションを代表としたビジネス用途での利用可能性を広げることができたと考えている。ビジネス用途のJavaにはさまざまなニーズがあると思うが、そのようなアプリケーションはパートナー企業に開発してもらう意向だ。従来は、品ぞろえがあまりにも少なかった。今回の新製品でシェア拡大を加速させたい」と語った。
京セラ製「WX310K」 | 三洋電機製「WX310SA」 |
日本無線製「WX310J」 | “京ポン”の後継機ともいえる京セラ製「WX300K」 |
(@IT 大津心)
[関連リンク]
ウィルコムの発表資料
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