ID管理をアプライアンスに詰め込んだA10が日本進出

2006/4/22

A10ネットワークスの創業者兼CEO リー・チェン氏

 三井物産と物産ネットワークスは4月21日、米A10ネットワークスと国内総代理店契約を結んだことを発表した。

 A10ネットワークスは、センティリオン・ネットワークス、ファウンドリーネットワークスなどの創立者として名を連ねる米IT業界のベテラン、リー・チェン(Lee Chen)氏が2004年9月に設立し、CEOを務める新興企業。最初の製品である「ID Sentrie 1000」を2005年11月に発表したばかりだ。

 同社の狙いを、チェン氏は「次世代のアイデンティティ対応ネットワークソリューションを提供していくこと」と説明する。

 ID Sentrie 1000は、これまで高価なソフトウェアと大規模なコンサルティングを必要としていたアイデンティティ管理ソリューションを、ワンボックスで実現してしまおうという製品。LDAPそのほかのディレクトリアクセスプロトコルに対応したディレクトリデータベースを構築でき、Active Directoryをはじめとしたほかのディレクトリデータベースとの同期も可能。RADIUS認証サーバの代替にもなるユーザー認証機能では、無線/有線LANのログイン管理ができるほか、認証プロキシとして背後のWebアプリケーションに対するアクセスのための認証を代行することができる。認証プロキシ機能は、1万ユーザーをサポートするとチェン氏は話す。

 ID Sentrie 1000のもう1つの重要な機能は、ログ管理だ。従来はIPアドレスでしか残せなかった社内ユーザーのシステムアクセス履歴についても、ユーザー名を用いたログとして残すことができる。この機能で、法令順守関連ニーズをつかむことができるという。

 「この製品では、アイデンティティ管理で必要な機能を1つのソリューションとして提供する。これまではソフトウェアで多数のポイント・ソリューションを組み合わせなければならなかったが、これからは1つの製品で済む。アプリケーションサーバにエージェントを導入するなどの作業も不要だ。既存のインフラに組み込んでもらうだけで、機能することを目指している」

 「ID Sentrie 1000は、A10ネットワークスの今後の製品を導入してもらうための、ユーザーの戸口を開く役割を持っている」と語るチェン氏は、2006年の第3四半期から第4四半期にかけて、アプリケーションセキュリティやアプリケーションインテリジェンスに焦点を当てた製品を提供していくという。

 チェン氏は日本市場では例外的に、フアウンドリーネットワークス時代の付き合いも深い三井物産を総代理店としたと述べた。「三井物産と私は、お互いをよく理解している。三井物産は、A10ネットワークの日本支社と同じだと考えている」(チェン氏)

 三井物産の100%子会社で、ファウンドリーネットワークスの日本進出支援で実績を上げてきた物産ネットワークスが、もう1つの取り扱いベンダとして、A10ネットワークスの国内展開を担当する。物産ネットワークスは、A10ネットワークス製品で、今後3年間に30億円の売り上げを見込んでいる。

(@IT 三木泉)

[関連リンク]
米A10ネットワークス

[関連記事]
ファウンドリー創立者が鼻高々、「当社が日本で売れてる理由」 (@ITNews)
シングルサインオンから「フェデレーション」へ、ID管理最前線 (@ITNews)
CA、日本版SOX法の“核”となる製品を投入 (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)