中小企業のための手間なしバックアップサービス

2006/4/27

 中小・中堅企業向けにITサービスを展開するトライアングル・スピリットは4月26日、IT企業5社との提携による中小・中堅企業向けのデータバックアップサービス、「ストレージ・セントレックス・サービス」を発表した。同サービスは既に2006年1月より提供されており、3社の契約を獲得したという。

 これは、同社がデータセンターに設置したストレージシステムを用い、企業のデータをネットワーク経由で遠隔バックアップするサービス。ストレージシステムを複数のユーザー企業で共用する仕組みにより、低コストでサービスを提供できるという。

トライアングル・スピリット代表取締役社長平居透氏

 同サービスの開発理由を、トライアングル・スピリットの代表取締役社長平居透氏は、「日本は地震大国であるにもかかわらず、事業継続のための対策が進んでいないのが現状。専用線で遠隔拠点を結び、バックアップを行う仕組みはあるが、数億円かかるなど中小企業には手が出ない。また、日常のバックアップ作業も中小企業では難しい。テープライブラリを使った自動バックアップでも失敗するケースが多い」と説明した。

 同サービスではデータセンターにソフトバンクIDCを採用。東京と大阪の2拠点に対し、顧客拠点のデータをバックアップする。

 ストレージシステムは日立ITが提供、バックアップソフトウェアにはファルコンストア・ジャパンの「IPStor」を使用する。同ソフトウェアの機能を使い、最新のバックアップデータを使ったデータ復旧のほか、16世代前までさかのぼったデータの復旧機能もオプションで提供する。

 トライアングル・スピリットでは自社を契約者として通信事業者のブロードバンド接続サービスを顧客拠点に引き込み、データセンターとの間でインターネット経由の接続を確保してサービスを提供する。

 接続サービスの選択肢としては現在のところ、B Flet’sハイパーファミリー相当、B Flet’sベーシック相当、ソフトバンクBBのG-PON利用サービス、そしてフルに100Mbpsの帯域幅を提供するサービスの4種類を提供しているという。

 データのセキュリティについては、日本ルーセント・テクノロジーのIPsec VPN装置「Brick」を顧客拠点側と同サービス用ストレージシステム側に設置、これらの間でやり取りされるデータの暗号化を施す。

 IPStorとストレージシステムの運用監視は日立ITが提供。IPsec VPN装置の運用監視はネットワークサービスアンドテクノロジーズ(NSAT)が担当する。NSATは必要な場合、顧客拠点に出張して保守作業を行う。

 「ストレージ・セントレックス・サービス」の月額利用料金は、例えばデータ最大容量10Gバイト、アクセス回線はB Flet’sファミリー相当で単純なリモートバックアップを行うという、一番安価なケースで5万9800円。初期費用はこの約2.5倍かかるという。

 同サービスの販売はトライアングル・スピリットのほか、リコー販売、日立IT、NSAS、ファルコンストア・ジャパン、日本ルーセント・テクノロジーを通じても行われている。

(@IT 三木泉)

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