「30%のユーザーはセキュリティソフトなし」が投げかけること

2006/5/9

 「30%のユーザーはセキュリティソフトを利用していない」。トレンドマイクロが5月8日発表した一般ユーザー調査で、セキュリティソフトの浸透がいまひとつ進んでいない状況が明らかになった。トレンドマイクロは、「セミナーや啓発の小冊子を通じて、インターネットの身近に迷惑行為があり、対策にはセキュリティソフトが有効であることを強く打ち出していくしかない」と話している。

 調査は18歳以上の一般ユーザーを対象にインターネットを通じて実施。有効回答は3971人だった。ウイルス対策ソフトウェア/総合セキュリティソフトウェアの利用率(体験版、月額版、OEMバンドルを含む)は70%で、30%は「利用していない」。利用している70%のユーザーのうちでも、パターンファイル(定義ファイル)の「名前と内容を知っている」と答えたのは35%にとどまり、セキュリティ製品への知識が全体に薄いことが分かった。名前だけを知っているのは36%で、知らないユーザーも29%いた。

 また、パターンファイルについて「名前と内容を知っている」、もしくは「名前だけ知っている」と答えたユーザーのうちで、パターンファイルの更新を「自動で毎日」行っているというユーザーは48%で、半数を割った。自動で2〜3日ごとに実施しているユーザーは16%。手動更新(16%)や、していないと答えたユーザー(6%)もいた。

 ただ、全体の84%のユーザーはインターネット上で迷惑行為の被害を受けていて、インターネットの危険性について、一定の認識はあるもよう。ただ、迷惑行為を防ぐためにセキュリティソフトを導入するという実際の行動には、いまいち結びついていないようだ。

 インターネット利用中に遭遇した迷惑行為で最も多いのは迷惑メール。次いでポップアップメッセージや大量の広告表示、フィッシング詐欺の電子メール、ワンクリック詐欺などが続く。銀行口座の番号が盗まれ、預金が引き落とされたというユーザーもいた。

(@IT 垣内郁栄)

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トレンドマイクロの発表資料

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