NetApp、「メインストリームのストレージに殴り込む」
2006/5/26
日本ネットワーク・アプライアンス(NetApp)は5月25日、同社の最上位機種となる新製品「FAS6000シリーズ」を発表、これにより基幹業務向けファイバチャネルSANストレージ市場で本格的に攻勢をかけることを明らかにした。
「今回の発表は、NetAppがNAS、IPストレージだけでなく、ミッションクリティカルなデータセンター市場において優位性を持って戦えるようになったことを示すもの。メインストリームのストレージ市場に殴り込みをかける」とNetAppの代表取締役社長 鈴木康正氏は宣言した。
FAS6000シリーズは最大1080のハードディスクを構成可能。SATAディスクを使った場合、ストレージ容量は現状で最大500Tバイトまで拡張できる。これはモジュラー型ストレージにおいては、他社と比較して約2倍であり、EMCの「Symmetrix DMX-3」をはじめとしたフレームアレイ・ストレージに迫るレベルだという。
NetAppとしてのハイエンドストレージ市場における売りの1つは、こうした高いレベルの拡張性を柔軟に提供できるということ。
米NetApp エンタープライズデータセンターおよびアプリケーション事業部門担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャのリッチ・クリフトン氏 |
「既存の硬直的なハイエンドストレージに対して、NetAppはモジュラー型ストレージの良さを生かし、ビジネス要求に応じて即座に拡張していくことができる。また、企業では1次ストレージ、2次ストレージ、コンプライアンス用ストレージを構成していく必要があるが、通常はこれらの間に一貫性がないために、導入には数週間におよぶコンサルティングが必要となる。NetAppなら、すべてのプロセスを一貫した仕組みと方法で構成、運用できるため、ビジネスの即応性が高まり、管理者のコストも削減できる」と、同社エンタープライズデータセンターおよびアプリケーション事業部門担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャのリッチ・クリフトン(Rich Clifton)氏は語った。
クリフトン氏は、「NetAppではまた、事業部門の人々がストレージ利用に参加できる仕組みを提供する。これにより、ハイエンドストレージの様相は大きく変わる」という。
新製品が搭載するOS「Data ONTAP 7G」に標準搭載の管理ソフト「FlexShare」では、ボリューム単位で優先順位を設定することができるため、優先順位の高いボリュームは常に高い応答速度を維持できるようになる。
「日本でストレージ統合の進み方が比較的遅いのは、事業部門が別々にサービスレベルを保ちたいと考えているからだ。ストレージを統合しながらも部門別にサービスレベルを管理できるようにするFlexShareは、特に日本市場にとって意味を持つ機能だ」と話した。
NetAppではFlexShareを含むストレージレベルからアプリケーションレベルまでの管理ソフトを単一の管理製品ファミリとして体系化した。これをアプリケーション視点からの管理を実現するための武器として提供していく。
同社がNDAベースでFAS6000シリーズに関する情報を提供した顧客のなかには、これを待ち望む声が多いことから、同社では新製品の立ち上がりが早いと判断。鈴木氏は「2007年4月末までに、FAS6000シリーズは日本における売り上げの2割を占めることになるだろう」と話した。
一方、ミッドレンジストレージ市場についてクリフトン氏は、「数カ月以内に、過去の買収の成果を含む、エキサイティングな発表ができると思う」と語った。
(@IT 三木泉)
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