EMC、新ミッドレンジ・ストレージ投入で市場席捲狙う

2006/5/31

 EMCジャパンは5月30日、同社のミッドレンジ・ストレージ「CLARiX CX」シリーズの第3世代にあたる「CLARiX CX3 UltraScale」シリーズを販売開始したと発表した。29日には、同製品の共同ブランド版を、販売パートナーであるデルが発表している。

ミッドレンジ・システム部門上席副社長兼ジェネラルマネージャー ジョエル・シュワルツ氏

 米EMCのミッドレンジ・システム部門上席副社長兼ジェネラルマネージャー、ジョエル・シュワルツ(Joel Schwartz)氏は、ミッドレンジ・ストレージ市場において、EMCだけがシェアを大幅に伸ばしてきたことを強調した。

 「IDCの調査によると、2002年第1四半期の時点で当社のシェアは10パーセント未満だったが、2005年第4四半期にはEMCとデルで35パーセントに達した。一方、四十数パーセントのシェアを得ていた当社の最大の競合ベンダであるHP(ヒューレット・パッカード)は、この間残念ながら25パーセントに下落した。ほかの主要ベンダのシェアはほとんど変わっていない」

 シュワルツ氏はさらに、IBMとHPのミッドレンジにおける最上位機種と、EMCのストレージ製品のOLTPアプリケーション利用におけるパフォーマンスを比較したグラフを示し、次のように説明した。

OLTPパフォーマンスの比較。縦軸がレスポンスタイム、横軸がトランザクション数/分

 「過去6カ月以内に発表されたIBMとHPの製品より、当社の2年前の最上位製品であるCX 700の方がパフォーマンスは高い。また、当社の最新の中位製品であるCX3-40でも、2社の最新の最上位製品を超えるパフォーマンスを発揮する。最新の最上位製品同士で比較すると、CX3-80は2社よりもはるかに高いパフォーマンスを提供することができる」

 新製品は、「CX3-20」「CX3-40」「CX3-80」の3製品。最大構成ディスクドライブ数はそれぞれ120、240、480個となっている。SAN接続インターフェイスは4Gbpsに対応。ディスクドライブ接続についても、4Gbps、2Gbpsのディスクドライブを単一の筐(きょう)体内に共存させることができる。2Gbpsインターフェイスのディスクドライブでは、回転数が低く価格も低いものを利用することができるため、単一の筐(きょう)体内で階層的ストレージやディスクtoディスク・バックアップの構成が可能。「1ボックスでILMを実現することができる」(シュワルツ氏)。

 EMCジャパンは新製品を、デルやCTC、NECといったパートナーを通じ、中堅企業に売り込んでいきたい考え。現在1けたにとどまっている国内市場におけるシェアを、2けたに伸ばしたいとしている。

(@IT 三木泉)

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EMCジャパンの発表資料

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