【次期Office】Exchange Server 2007を初デモ、内部統制を強化
2006/5/31
マイクロソフトは5月30日に開催した次期オフィス製品「the 2007 Microsoft Office System」に関する説明会で、メッセージングサーバ製品「Exchange Server 2007」のデモンストレーションを国内で初めて公開した。デモしたのはベータ1で、TechNetメンバーとMSDNメンバーに配布している。マイクロソフトは2006年7-9月期にベータ2を出す予定。出荷開始は、Office Systemと同時期の10月中を予定している。
マイクロソフト インフォメーションワーカービジネス本部 本部長 横井伸好氏 |
マイクロソフトは今年2月、Exchange Serverの開発担当部署を従来のサーバ部署からオフィス製品の担当部署に移した。the 2007 Microsoft Office Systemの特徴の1つは「サーバ製品の大幅な拡張」(同社 インフォメーションワーカービジネス本部 本部長 横井伸好氏)で、Exchange Serverの開発部署の移管もOffice Systemのクライアントアプリケーションとの連系を強めることが狙いだ。特に「Outlook 2007」との連携はさらに強化した。
管理関係ではコンプライアンス対応の機能を強化した。企業内のすべての電子メールボックスをExchange Serverで一元管理するアーキテクチャを採用。新たに追加するコンポーネント「ブリッジヘッド」では、社内で送受信される電子メールの内容を監視し、コンプライアンスのポリシーを適用することができる。
具体的には「電子メールトランスポートルール」機能があり、電子メールの送受信者や含まれる語句などによって特定のアクションを設定できる。「新商品」という語句を含む電子メールが社内から発信される場合に、そのコピーを必ず管理者に送信し、さらにコピーを送信したことを発信者に通知することなどが可能。電子メールの自動暗号化などもできる。同本部の三野達也氏は「内部統制構築をサポートする機能を大幅に強化する」と話した。
また、財務にかかわる電子メールの長期保存を求める法令などに対応。ユーザーのメールボックス内に、管理者が制御できる保存用フォルダを作成できる「電子メールライフサイクル管理」機能を追加する。特定のルールに沿って関係する電子メールだけをこの保存用フォルダにコピーし、削除されないよう保護する。「Microsoft Office SharePoint Server」と連携し、よりセキュアに長期保存することもできる。
マイクロソフトはExchange Serverのユーザー向けに電子メールのセキュリティを向上させるマネージドサービスも始める。国内では2006年末にサービス開始予定。提供するのは4つのホスティングサービス。「Microsoft Exchange Hosted Filtering」はExchange Serverに届く前に電子メールにコンピュータ・ウイルスが添付されていないかや、スパムメールでないかを確認するサービス。「Microsoft Exchange Hosted Archive」は電子メールの中から監査に必要なメッセージを探し出し、自動で保存する。「Microsoft Exchange Hosted Continuity」はメッセージを30日間保管し、電子メールサーバに障害が発生した場合でも内容を確認できるようにする。また、「Microsoft Exchange Hosted Encryption」は暗号化した電子メールの送受信を可能にする。
(@IT 垣内郁栄)
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