日本版SOX法対象企業の8割獲得狙うIDSシェアーの新ツール

2006/6/21

 IDSシェアー・ジャパンは6月20日、内部統制活動を支援するツールの新バージョン「ARIS Audit Manager 3.0日本語版」を同日に国内で提供開始したと発表した。

IDSシェアー・ジャパン 取締役社長 力正俊氏

 同社取締役社長力正俊氏は、日本版SOX法に関連して、すでに約90社から同製品に関する問い合わせを受けていると話した。「文書化ツールの機能を提供する製品はほかにもあるが、テストや改善までできるものはなく、競合はいない。来年度には日本版SOX法対象企業の8割に使ってもらうことを目標として同製品を展開していきたい」という。

 ARIS Audit Manager 3.0は、同社のビジネスプロセスモデリングツール「ARIS Business Architect」などと組み合わせて使うことのできるツール。Business Architectが業務プロセスの文書化や評価・改善機能を提供するのに対し、Audit Manager 3.0では運用状況のテスト、評価・改善、評価結果のまとめ・報告といった機能を提供する。

 Audit Managerでは、Business Architectで作成した文書から、内部統制項目情報を取り込むことができる。取り込んだ情報についてはリスクの定義が登録され、テスト項目が自動生成されるという。

 さらに新バージョンでは、内部統制不備を見いだすと、その内容を査定した後、監査室などに通知する機能が加わった。SOX法対応では、業務プロセスの文書化と運用状況のテスト、さらに不備への対応が作業負荷のほとんどを占めることから、これらの作業を自動化・効率化することで、SOX法対応作業の工数を大幅に削減することができると同社では話している。

 Audit Managerの推奨小売価格は、30ユーザーまでで360万円。Business Architectは1端末当たり120万円。すでに同社のソリューションを導入しているある日本企業では、コンサルティングを含めても、1人/年の人件費以下で済んだという。

 IDSシェアー・ジャパンでは、ユーザー企業がすでに取引しているシステムインテグレータ(SI業者)に、同社のツールの導入を実施してもらう形で、短期間に売り上げを伸ばしていきたい考え。「ある大手SI業者とは、パートナー契約を結ぶ方向で調整している」(力氏)という。

(@IT 三木泉)

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IDSシェアー・ジャパンの発表資料

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