「2007年にBI市場で1位を取りたい」、オラクル

2006/6/28

日本オラクル 常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤智光氏

 日本オラクルは6月27日、ビジネス・インテリジェンス(BI)の新製品「Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Edition」とデータウェアハウスの設計・構築ツール「Oracle Warehouse Builder 10g Release2」を2006年夏に出荷すると発表した。BI専任組織の設立や導入支援サービスメニューの拡充を図り、「2007年にはBI市場で首位を獲得したい」(日本オラクル 常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤智光氏)と意気込む。

 「Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Edition」の前身はシーベルのBIツール「Siebel Business Analytics」。企業全体を包括するBIインフラストラクチャとツールなどがパッケージされている。同製品の下位エディションには、「Oracle Business Intelligence Suite Standard Edition」がある。これは従来、オラクルが提供してきた独自のBIツール「Oracle Discoverer」を中心としたツール群である。シーベルのBIツールとオラクルのBIツールをそれぞれ「Enterprise Edition」「Standard Edition」として整理した。

 BIツールベンダとしてのオラクルの強みは、BIツールと同時期にデータウェアハウスの設計・構築ツールをリリースすることからもわかるように、BIシステムをバックエンドで支える大規模データウェアハウス構築のノウハウを持っていることである。これまで同社はBIツール「Oracle Discoverer」を、コグノスやビジネスオブジェクツ、ハイペリオンといった競合他社との製品とはけた違いの安さで提供してきた。その背景には、BIシステムを構築すれば増大するデータを格納するシステムがどうしても必要となり、同社の最大の強みが発揮できるDBソリューションの提案が行えることにある。

 2005年から2006年にかけて「Oracle Discoverer」で開拓してきたBI市場を、シーベル製品の統合で体系化した製品ラインアップとコンサルティングサービスでさらに拡充することを狙う。そして、2007年度にはパートナー網の整備を行い、一気にBI市場でのトップシェア獲得を狙う戦略である。同社は「Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Edition」を20件(年間)、「Oracle Business Intelligence Suite Standard Edition」を200件(同)販売するという数値目標を掲げている。これらの数字の達成を80人のBI専任部隊で行う予定。

(@IT 谷古宇浩司)

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オラクルの発表資料

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