BMC、Remedyと統合したITIL指向の構成管理製品
2006/7/26
BMCソフトウェアは7月25日、サーバやPCのインベントリ管理やソフトウェア/パッチ配布を実施するソフトウェア「BMC Configuration Management」日本語版を8月4日に国内で出荷開始すると発表した。
BMC 技術本部 プロダクト・スペシャリスト・グループ ソフトウェアコンサルタント 松本浩彰氏 |
これは米BMCソフトウェアが2004年7月に買収した米マリンバの製品を、同社のITマネジメント製品「Remedy IT Service Management」と統合できるようにしたもの。RemedyはITILの人によるプロセスフローを管理することができるが、変更管理の実装機能は備えていない。ここにConfiguration Managementを組み込むことで、「BMC1社の製品で、変更管理のクローズまでを完結させることができるようになる」と、同社技術本部 プロダクト・スペシャリスト・グループ ソフトウェアコンサルタント 松本浩彰氏は話した。
つまり、ユーザーからアプリケーションの不具合についてヘルプデスクに問い合わせがあると、Remedyのサービスデスク上でトラブルチケットを発行し、過去の事例の参照でパッチが必要であると判断されると、承認プロセスを経てConfiguration Managementを起動し、パッチ当て作業を実行することができる。実行されると、Remedyのサービスデスク上では変更ステータスを完了に変更し、対象PCの資産情報を自動的に構成情報データベース上で更新できる。
Configuration Managementは、クオリティの「QND」、LANDesk Softwareの「LANDesk Management Suite」、マイクロソフトの「Systems Management Server」などと競合するが、サン・マイクロシステムズやマイクロソフトのディレクトリサーバと連携して、ディレクトリ階層に沿ったポリシーを設定・適用できることが大きな特徴という。また、Configuration Managementでは管理者の作業を経ることなく、最新パッチを自発的に確認・取得し、サーバやPCに適用することもできる。
BMCでは新製品を2000クライアントライセンスで880万円などの低価格で提供し、Remedyとの組み合わせでの導入を促進していきたいという。
BMCは従来、「Patrol」を中心とした管理自動化製品を中心にビジネスを展開していたが、最近はRemedyを軸にITIL分野での事業拡大に注力している。これまでコンサルティング・パートナーとしてはプロシードやエクセディア、SIパートナーとしては日立情報システム、東芝情報システムなどと協業している。
松本氏はITIL関連ビジネスについて、「現在は横に広げていく段階」と話す。ITILではコンサルタントや顧客自身が決める要素が多く、ケース・バイ・ケースになりがちで、ベンダの役割を一概に規定することはできない。しかし、「ベンダとしてはITILを支援するための省力化や自動化を進めていかなければならない」と説明する。
BMCでは、今回の製品に続き、9月にはメインフレームなどもActive Directoryで統合できるようにするアイデンティティ管理製品、11月にはルータの不具合などがITサービスに与える影響を管理できるサービスインパクト管理製品を出荷し、ITIL関連の製品ポートフォリオを充実させていきたい考えだ。Remedyについても、10月には「Remedy IT Service Management」の新バージョンを提供し、Patrolによるパフォーマンス管理などとの統合を進めていくという。
(@IT 三木泉)
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