インテルのCPU、新アーキテクチャに全面移行
2006/7/28
インテル 代表取締役共同社長 吉田和正氏 |
インテルは7月27日、デスクトップPCやノートブックPC用のデュアルコアCPU新製品群を発表した。「Conroe」「Merom」の2つの開発コード名で呼ばれていたCPUは、「インテルCore 2 Duoプロセッサー」という統一名称で展開される。
「Conroe」「Merom」はともに、Pentiumの次の世代を担うインテルCoreマイクロアーキテクチャに基づいている。これによってサーバ用のXeonと併せ、インテルのCPUは全面的にCoreマイクロアーキテクチャに移行したことになる。
インテル 代表取締役共同社長 吉田和正氏は、ここに来てPCの出荷が落ち込みを見せているが、新CPUを契機に、これまでPCがリーチできていなかった市場に広げていくことに力を注ぎたいとの考えを示した。
Core 2 Duoプロセッサファミリーは、これまで最新のデスクトップCPUだったPentium Dと比較して性能が最大40%向上するとともに、消費電力が40%以上減少したという。
性能向上は、1)2つのプロセッサコアが単一のL2キャッシュを共有できるようになった点(「アドバンスト・スマート・キャッシュ」)、2)1クロックで最大4命令(従来は最大3命令)を実行できるようになるとともに、分岐命令などについては2つの命令セットを1つとして1クロックで処理できるようになったこと(「ワイド・ダイナミック・エグゼキューション」)、3)必要に応じてメインメモリに対するアクセスの順序を変更し、待ち時間を減らすこと(「スマート・メモリ・アクセス」)、などによって実現されている。マルチメディア命令の処理に関しては、128ビットの命令セットを1クロックで処理(従来のSSEでは2クロック)できるようにした「アドバンスト・メディア・ブースト」により、パフォーマンスアップを図っている。
また、消費電力の減少には、各プロセッサコアのサブシステム単位で電力消費を管理することのできる「インテリジェント・パワー」機能などが貢献しているという。
ノートPC向けのCore 2 Duo(開発コード名:Merom)では、ノートPC用として初めて64ビットコンピューティングをサポート。これによりインテルはサーバからノートPCまで、すべてのジャンルで64ビット対応を終えたとしている。なお、これまで「EM64T」と呼ばれてきた64ビット互換機能は、今後「インテル64テクノロジー」と呼ばれることになるという。
インテルはすでに、これらのCPU製品をPCベンダなどに対して出荷開始しているという。新CPU搭載のデスクトップPCは8月初め、ノートPCは8月末から各社から順次発売される予定。
(@IT 三木泉)
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