IMSとの融合でIP TVは面白くなる、エリクソン
2006/7/29
エリクソン 北東アジアチーフ・テクノロジー・オフィサー 藤岡雅宣氏 |
日本エリクソンは、同社のIP TVソリューションについて説明会を開催、このなかでエリクソン北東アジアチーフ・テクノロジー・オフィサー(CTO)の藤岡雅宣氏は、同社がIP TVとIMS(IP Multimedia Subsystem)の融合を推進していくことを説明した。
エリクソン本社は6月5日にエンドツーエンドのIP TVソリューションの提供開始を発表した。これはIP TVのヘッドエンド、サーバ用ミドルウェア、コンテンツ配信プラットフォーム、著作権管理などを組み合わせ、音楽や映像の同時/オンデマンド配信、電子番組表、ネットワークベースの録画機能などを実現している。ユーザーが作成したビデオなどの素材も組み込めるようになっている。エリクソンではこのソリューションを2007年以降、IMSとの統合により、さらにインタラクティブで魅力的な仕組みに進化させていきたいという。
藤岡氏は、IMSとの統合で可能になるIP TVサービスの例として、2006年6月上旬に米国イリノイ州シカゴで開催された展示会GLOBALCOMMにおいて、同社がソニーと共同で実施したデモの概要を紹介した。
このデモは家庭内にDLNA(Digital Living Network Alliance)ガイドライン準拠のホームAVネットワーク機器、さらにIMSとDLNAの各種プロトコルの仲介を行うゲートウェイが設置されていることを前提としている。
IMSとDLNAの連携により、ユーザーは外出時に家庭のPC内のAVコンテンツを携帯電話で呼び出して、視聴できるようになる。また、携帯電話から家庭内のテレビに対してインスタントメッセージを送ってコンテンツ送信の提案をした後で、該当コンテンツを外部ネットワーク上のコンテンツ配信サーバからこのテレビに対してストリーム配信するように指示することができる。
問題は、こうしたサービスにはさまざまな機器が関係してくるため、標準化が欠かせないという点。藤岡氏はITU-TのIPTV Focus GroupなどでIP TV関連の各種仕様間の整合性確保などが検討されているものの、IMSとの連携までを含めたIP TVに関する包括的な標準化は行われていないのが現状と指摘する。
「既存の標準を組み合わせることでできる部分もあるが、IMSとDLNAの仲介などは新たな標準化が必要」(藤岡氏)。
現在の段階でIP TVとIMSの融合を提案しているのはエリクソンとソニーだけだが、今後同社は標準化活動を積極的に進め、そのリーダーとしての役割を果たしていくつもりと藤岡氏は話した。
(@IT 三木泉)
[関連リンク]
IP TVソリューションに関する日本エリクソンの発表資料
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