「小規模ミッションクリティカル」を狙うIntegrityサーバ新製品
2006/9/8
HP Integrity rx6600 |
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は9月7日、同社のIntegrityサーバシリーズで、インテルが7月に発表したItaniumプロセッサファミリの最新版「デュアルコア インテルItanium 2プロセッサ9000番台」(開発コード名:Montecito)への広範な対応を発表した。
同社の執行役員 エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 統括本部長 松本芳武氏は、6月のブレードサーバ発表、今回のItanium 2 9000番台搭載サーバ発表、そして今後行うエントリーサーバ関連の発表を今年の日本HPにおける3大サーバ関連ニュースに挙げ、これらの取り組みを通じて「年初に宣言した通り、年末にはサーバ市場でナンバーワンのシェアを取りたい」と語った。
Itaniumプロセッサファミリを搭載するIntegrityシリーズへのPA-RISCからの移行はこれまで順調に進んできており、日本HPにおけるPA-RISCとItaniumベースのサーバの販売台数は、直近では3対7の比率になったという。IntegrityシリーズはマルチOS対応だが、事実上販売台数の約8割でHP-UXが利用されているといい、HP-UXとの組み合わせは今後も同社がIntegrityシリーズを伸ばしていくうえでの1つのかぎであり、今回の発表につながる背景でもある。
Integrityシリーズでは今回、「Superdome」から「rx2620」まで、最下位のrx1620とBL60pを除く全製品で、Itanium 2 9000番台を搭載することが発表された。
また、日本HPは同シリーズのエントリーレベルで、「rx3600」、「rx6600」の2モデルを販売開始した。それぞれ最大4プロセッサ(8コア)、2プロセッサ(4コア)のCPUが搭載可能で、この点ではそれぞれ現行の「rx2620」、「rx4640」と同一。しかし新製品では新たに余裕のある筐(きょう)体を開発、2.5インチのハードディスクドライブを最大16個搭載できる前面スロットを配置した。この2製品はさらに、Itanium 2 9000番台に対応する新たなチップセット「zx2」を搭載し、信頼性とパフォーマンスの向上を図った。ちなみに、ハイエンドサーバはすでに「sx2000」チップセットを搭載し、Itanium 2 9000番台にも対応した新製品が4月に発表されている。
日本HP ビジネスクリティカルサーバ製品本部 本部長 榎本敏之氏 |
2つの新製品の投入は、中小規模のシステムでも高い信頼性や安定性、拡張性が求められるようになってきていることに対応する動きだという。同社ビジネスクリティカルサーバ製品本部 本部長 榎本敏之氏は、「データベースなどのミッションクリティカルなシステムでは、現在でも圧倒的にUNIXが選択されている。信頼性はシステムの大小にかかわらず必要とされている」と話し、UNIXの信頼性を小規模システムでもコスト効率よく活用していけるように、パフォーマンスに優れながらも比較的低価格で、外部ストレージ装置を必要としない製品を投入することにしたと説明した。
「今回はローエンドサーバの拡充における最初の発表という意味合いもある。年末に向け、さらにローエンドモデルやブレードモデルを拡充する」(榎本氏)。
(@IT 三木泉)
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