サーバ市場国内1位が視野に入った、HPのサーバ戦略
2006/4/19
日本HP エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 ビジネスクリティカルサーバ製品本部 本部長 榎本敏之氏 |
日本ヒューレット・パッカード(以下日本HP)は4月18日、新チップセットを搭載したIntegrityサーバの新製品を発表した。今回発表したのは、Integrityシリーズの上位3製品。同社では、サーバ統合や、24時間365日の稼働が求められるシステムでの利用を想定している。
新チップセット「HP sx2000」は、クロスバー周りを3重化し、バンド幅を4.2倍にするなどの強化が施された。Itaniumのマルチコア・プロセッサもサポートしている。システムの統合化や仮想化用途を想定して開発されたチップセットであり、ハイエンドサーバ「HP Integrity SuperDome」およびミッドレンジサーバ「HP Integrity rx7640」と「HP Integrity rx8640」に搭載される。日本HP エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 ビジネスクリティカルサーバ製品本部 本部長 榎本敏之氏によると、既存製品と比較して、最大30%のシステム性能向上が可能だという。
同社が「HP sx2000」を発表する際に強調していたのは、このチップセットがSuperDomeにおける第3世代のチップセットであり、独自の「セルボード・アーキテクチャ」を採用している点だ。
セルボード・アーキテクチャは、プロセッサとメモリを搭載したセルボードがクロスバーを経由して接続されており、モジュラー型でセルボードを拡張していける方式を採用している。セルボード単位の組み合わせで物理パーティションが構成可能であり、各パーティションは電気的に完全分離される。このため、ある物理パーティション内で起こった障害がパーティション内に封じ込められ、ほかの物理パーティションにはまったく影響しないという利点がある。
ガートナーの調査(2005年日本サーバ市場出荷実績)で、サーバ市場のベンダシェアを出荷金額ベースでみると、日本HPは日本IBM、富士通に次いで3位。しかし、成長率(前年比)でみると、業界平均が0.2%なのに対し19.4%と高い。日本HP 執行役員 エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 統括本部長 松本芳武氏は「2006年には国内1位のシェアになる」と意気込む。
(@IT 谷古宇浩司)
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