指紋情報を持ち運び、サイレックスが携帯型の指紋認証センサ
2006/9/27
サイレックス・テクノロジーは9月25日、UIMカードを搭載した真皮指紋認証センサ「SX-Biometrics Suite with S2」を発表した。2006年5月に発売したS1の後継製品で、指紋情報を本体に内蔵したUIMカード内に格納することで、サーバ側に指紋情報を残さず運用が可能であるという。
従来製品では指紋情報を暗号化しPC側に保存していたが、S2では本体内に指紋情報を格納し、センサ自体を持ち運ぶことを想定している。ICカードの一種であるUIMカードに指紋情報を格納。UIMカードから指紋情報を取り出す際にPINコード認証を求めることで、情報の機密性を高めている。指紋認証だけではなく、本体自体をユーザーが持ち歩くことによる「所持品認証」、PINコード入力の「記憶認証」を組み合わせた複合認証が可能となり、機密情報への不正アクセスに対して、より高いセキュリティ性が確保できるとしている。
サイレックスが発表した真皮指紋認証センサ「SX-Biometrics Suite with S2」。ネックストラップなどで持ち運ぶことができる |
また指紋情報を本体内で管理することで、指紋情報を集中管理する必要がなくなり、サーバレス運用が可能。集中管理のリスクや負担がなくなり、トータルの運用コストを削減できると強調している。LANやサーバが設置できないような環境での利用も可能になる。
同シリーズの指紋認証センサは、指表面の状態を選ばない真皮で指紋認証を行っている。真皮は指表面のさらに下層にあり、完全な指紋パターンが形成されているため、乾燥指や指表面に傷がある場合でも、高い精度で認識できる。指紋はISO標準の特徴点抽出方式を採っていて、指紋の画像自体を比較する方式に比べて高い照合精度が得られるという。指紋画像を記録データとして残さないので、プライバシー保護の観点からも効果が高い。センサは指が直接センサ面に触れないフィルムセンサタイプで、静電気や傷、汚れなどに対する耐久性がある。
新製品はUSBでPCと接続する。付属の「SX-Biometrics Suite」を利用すれば、Windowsログオンに指紋センサを利用したり、機密性を確保したいファイルに指紋認証でロックをかけることができる。製品にはオフィスで利用するための専用クレードルが付属。ストラップホールを利用し、ネックストラップなどで持ち運ぶこともできる。
SX-Biometrics Suite with S2は1台2万円弱。2006年10月下旬に出荷開始する。
(@IT 宮田健)
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サイレックス・テクロノジーの発表資料(PDF)
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