2社の日本法人が今後を説明
EMCとRSAが目指す世界とは
2007/02/27
EMCジャパンとRSAセキュリティは2月27日、米EMCによる米RSAセキュリティの買収に伴う今後の事業方針について説明した。
米EMCは2006年9月に米RSAセキュリティの買収を完了。米RSAセキュリティは米EMCのセキュリティ部門として統合され、「RSA, The Security Division of EMC」という新たなブランドで活動を始めている。
この買収の目的を、米EMCは「情報中心のセキュリティを実現するため」と説明している。情報のライフサイクルに渡って適切な保護や秘匿性、可用性などを実現していくために、ストレージやデータ管理製品など情報インフラ関連製品を持つ米EMCと、ID管理や暗号化、認証といった機能を持つ米RSAセキュリティの組み合わせが必要になってくるというのだ。EMCジャパンの執行役員 マーケティング兼パートナーアライアンス統括本部長 古谷幹則氏は、「米べリタスが米シマンテックに買収され、米SelectAccessが米ヒューレット・パッカードに買収されるなど、セキュリティ企業の買収が相次ぎ、EMCはセキュリティで遅れをとったという面もある」と話した。
米EMCは米ヴイエムウェアについては買収後も子会社として独立した活動を続けさせているが、米RSAセキュリティについては本体に吸収することを選んだ。この理由として古谷氏は、ヴイエムウェアの場合、技術的な相乗効果はあまり大きくないが、RSAの場合は技術を取り込める余地が大きいこと、そして「RSAブランドはEMCブランドよりも価値が高い。EMCに取り込むことで自社のブランド力を向上することができる」ことを挙げている。
現在、米EMCのRSA部門は既存の自社製品を継続して販売・サポートしており、販売パートナー施策にも大きな変更はない。一方EMCのダイレクトセールスはEMCの既存製品と併せて旧RSAセキュリティの製品を販売できるようになり、メリットを享受し始めているという。だが、製品面での統合効果が現れるのはこれから。EMCのハイエンドストレージ製品「Symmetrix」の一部モデルで、管理者の認証にRSAのSecureIDを適用すること、そしてRSAのログ管理製品「RSA enVision」とEMCの改ざん防止ストレージ「Centera」を組み合わせたソリューションを提供することを発表することに留まっている。
しかし、RSAセキュリティ 代表取締役社長 山野修氏は、「セキュリティ機能と情報インフラ管理を統合し、ワンストップショップで提供できるようになることの意味は大きい」と話した。なお、日本法人のRSAセキュリティは、現在のところEMCジャパンに吸収される予定はないという。
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