Oracle 11gで攻勢かける

DB戦争の主戦場は中堅・中小市場――オラクルが戦略発表

2007/10/17

 日本オラクルは10月23日に出荷開始する次期データベース「Oracle Database 11g」の主戦場を中堅・中小規模企業の市場に定めたようだ。10月17日に戦略を説明した日本オラクルの常務執行役員 システム製品統括本部長の三澤智光氏は、中堅市場で最大のライバルとなるマイクロソフトの「SQL Server」について「最大の差は使いやすさ。11gはさまざまな開発環境、プラットフォームをサポートする」と強調した。

db01.jpg 日本オラクルの常務執行役員 システム製品統括本部長の三澤智光氏

 データベースについてはマイクロソフトも次期製品「SQL Server 2008」を2008年中に出荷開始する予定で、すでにOracleを意識した施策を発表している(参考記事)。

 対SQL Serverでオラクルが特に訴えたいのは価格と使いやすさの優位性。中小規模システムを対象にした「Oracle Database 11g Standard Edition One」の価格は1ユーザー当たり1万8600円(税抜、以下同)で、5ユーザーでの最小構成価格は9万3000円。この価格はSQL Server 2005 Workgroup Edition(5CAL付、Open Business)と比較した場合、800円高い。しかし、問い合わせ無制限の年間サポート価格はオラクルがライセンス価格の22%で、2万460円。対してマイクロソフトは5インシデントまでの24時間サポートで31万8000円とオラクルは説明する。

 日本オラクルのシステム製品統括本部 クロスインダストリービジネス推進本部長 江口良和氏は「11gのライセンス価格はSQL Serverとほぼ同じだが、サポート価格を加えると大きな差になる」と話し、11gの安さを強調した。

 使いやすさではWindowsをはじめ、Linuxや各UNIXをサポートする対応プラットフォームの広さに加え、.NETやJavaなどのさまざまなアプリケーション開発環境をサポートすることを強調する。中堅・中小企業では統一的なIT基盤の未整備からさまざまな開発環境が混在しがち。その場その場で開発しやすい環境が選ばれる傾向がある。11gでは「Oracle Data Access Components」の利用で、Visual Studio 2005との統合的開発が可能で、.NET Frameworkもサポートする。

 また、Webアプリケーション開発で利用が広がったPHPについても新機能の「Database Resident Connection Pool」で対応を強化。PHPアプリケーションのネイティブドライバを11gに追加することで、データベース接続時のパフォーマンスを向上させた。

(@IT 垣内郁栄)

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