グーグルの携帯向けプラットフォーム

アンドロイドはモバイル開発者の夢を見るか?

2007/11/06

 グーグルの携帯電話向けプラットフォーム「アンドロイド」が狙うのはプラットフォームをオープン化することで、インターネットの多くの開発者をモバイルの世界に取り込むことだ(参照記事:グーグルが携帯向け基盤技術発表、SDKを1週間以内にリリース)。

 携帯電話の開発は通信事業者や携帯電話メーカーが独自のプラットフォームで主導し、PCを中心とするインターネットの世界とは隔絶していた。グーグルのモバイル・プラットフォームズ担当ディレクターのアンディ・ルビン氏はアンドロイドについて「モバイルのマッシュアップができる」と強調した。つまり、通信事業者や携帯電話メーカーの独自仕様に合わせなくても、ソフトウェアベンダや一般の開発者が携帯電話のフル機能を使ったサービスを自由に開発できるということだ。

 これまでの携帯電話向けのサービス開発は、携帯電話のローカル機能にアクセスできない、インターフェイスや通信機能に制限があるなど、PC向けに比べると制限が多かった。しかし、アンドロイドがベースになることで技術仕様が標準化され、開発者は「携帯電話のアプリケーションやUIを垂直統合的に利用できるようになる」(ルビン氏)ことが期待される。ルビン氏はモバイルマッシュアップの例としてGoogle Mapsと独自アプリケーションを連携させることや、携帯電話の電子メール機能と独自アプリケーションのアルバム機能、Flickrとの連携などを挙げた。

android01.jpg グーグルが組織した企業連合「オープン ハンドセット アライアンス」のWebサイト

 また、携帯電話のプラットフォームが標準化されることで、ソフトウェアベンダやサービス提供者は検証作業が容易になる。携帯電話のサービス提供で多くの開発コストがかかるのは、すべての携帯電話でサービスが稼働するかどうかを確かめる検証作業。多くの通信事業者や携帯電話メーカーがアンドロイドを採用することで、この検証コストを抑えることができ、サービス開発が活気付く可能性がある。日本で開発したサービスの世界展開も容易になるだろう。

 ルビン氏は開発者やエンドユーザーにとってのアンドロイドのメリットを「インターネットとモバイルの世界をブリッジし、お互いの革新技術を利用し合えるようになる」と説明した。

(@IT 垣内郁栄)

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