Linuxベース、オープンソースで無償提供
グーグルが携帯向け基盤技術発表、SDKを1週間以内にリリース
2007/11/06
米グーグルは11月5日(米国時間)、携帯電話向けのプラットフォーム「Android」(アンドロイド)を発表した。オープンソースライセンスを採用し、無償提供する。同時に通信事業者や携帯電話メーカーなど34社のアライアンス「オープン ハンドセット アライアンス」(OHA)を発表。OHA各社にアンドロイドの採用を働きかけていくとした。アンドロイドを採用した携帯電話は2008年下半期にも製品化される見込み(参照記事:アンドロイドはモバイル開発者の夢を見るか?)。
アンドロイドはLinuxカーネルをベースにしたプラットフォームでOSのほかに呼制御などを行うミドルウェアやユーザーインターフェイス(UI)のほか、Webブラウザやインスタントメッセージング、カレンダーなどのアプリケーションを含む。それぞれはモジュール化されていて、通信事業者や携帯電話メーカーが自由に携帯電話に組み込める。無償のアンドロイドを使うことで携帯電話開発のコストを10%削減できるという。
Linuxカーネル以外のミドルウェアやアプリケーション部分はオープンソースライセンスの「Apacheライセンス」を採用。6日に説明会を行ったグーグルのモバイル・プラットフォームズ担当ディレクターのアンディ・ルビン(Andy Rubin)氏は、改良したソースコードの公開を義務付けないApacheライセンスを採用することで「通信事業者や開発者が独自の機能をプラットフォームに盛り込める」と説明し、製品、サービスの多様化につながると話した。
ルビン氏によると700MBのコードのうち、Linuxカーネルが占めるのは2%。グーグルは「カーネル上のウィンドウやメディアフレーム、コンポジット・システム、Webブラウザ、IMなどのスタックを社内で開発し、Apacheライセンスでリリースする」という。1週間以内にアンドロイド向けのアプリケーションが開発できるSDKを公開する予定。Windows、Mac、Linux向けのエミュレータやアプリケーション開発ツールを含む。グーグル社内ではすでに複数の携帯電話を使ったアンドロイドの検証を行っているといい、「アンドロイドのアルファ版の公開もSDK公開と近いタイミングで案内できる」とルビン氏は話した。アルファ版を公開し、OHAをはじめとするコミュニティや一般の開発者からフィードバックを得るという。
OHAに参加する国内企業はNTTドコモとKDDI、アプリックス。ほかに半導体メーカーとしてインテルやクアルコム、テキサス・インスツルメンツ、携帯電話メーカーではHTC、LG電子、モトローラ、サムソンが参加。ソフトウェアベンダではグーグルのほかにイーベイなどが参加する。
アンドロイドはグーグルにとってプラットフォーム製品を開発する最初のプロジェクト。ルビン氏は「携帯電話向け以外にもいろいろな製品を提供したい」と話し、メディアプレイヤーやカーナビ、セットトップボックス向けのプラットフォーム製品の開発も計画していると話した。いずれもオープンソース開発を採ることで、「多くの斬新性がコミュニティに入ってくる」と話した。
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