WiMAX、ブロードバンド、モバイルに注目
インテル、2007年は7社の日本企業に出資
2008/01/11
米インテルのベンチャーキャピタル、インテル キャピタルは1月11日、SNSなどインターネットサービスのプラットフォームを顧客に提供する日本企業、キールネットワークスに出資したと発表した。キールへの出資を合わせてインテル キャピタルは2007年に7社の日本企業に出資。7社への投資金額は4500万ドルとなった。同社は米国外の企業への投資を増やしていて、インド、日本、オーストラリア、東南アジアの各地域を担当するマネージング・ディレクター スディア・カッパム(Sudheer Kuppam)氏は「日本に対してはとても強気。2008年は投資のスピードを上げて2007年以上の投資をしたい」と話した。
インテルが投資部門を持つのは「投資によってインテル全体の戦略を実現する」(カッパム氏)のが狙い。1991年から40カ国以上の約1000社に投資してきた。インテルの戦略と合致する先進技術を育てるとともに、投資先のうち300社以上が株式公開、または他社に買収されるなど、投資のリターンでも「世界のベンチャーキャピタルのトップ10に入る」(同氏)と自負している。
11日に出資を発表したキールネットワークスはネットワーク・インフラの設計や構築が業務の中心だったが、インテルが目をつけたのはSNSを中心にグループウェアや課金などの機能を持つSaaS型のプラットフォーム「nuco」(ニューコ)。同社の代表取締役CEO 鈴木康正氏によるとnucoは幅広い年代が使えるプラットフォームを目指していて、ほかのWebサービスとの連携も容易。すでに「OEM的に提供し、いくつかのサービスが始まっている」(鈴木氏)という。
インテル キャピタルが2007年に出資したのはキールネットワークスのほかにコンテンツ制作のベルロックメディア、携帯電話向けコンテンツ開発のフェイス、ビデオコンテンツ配信のガッチャ!メディア、流通業界向けシステム開発のガルフネット、ファブレス半導体企業の新潟精密、そして昨年末に2.5GHz帯の事業免許を交付され、2009年夏のモバイルWiMAXサービス開始を目指すワイヤレスブロードバンド企画。
インテル キャピタルの投資はインテルが関係する半導体関連を離れ、WiMAX(用語解説)、グリーン技術、コンシューマ向けサービスに集中している。日本ではWiMAXのほか、ブロードバンド関連、ウルトラモバイルPC(UMPC)、モバイルインターネットデバイス(MID)への投資を強める考えをカッパム氏は示した。
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