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【Top10】Google Earthが見せる「われわれの世界」

2009/06/15

 先週の@IT NewsInsightのアクセスランキング第1位は「Google Earthの都市が3D化」だった。地球儀と地図のいいところ取りのようなGoogle Earthだが、これまでズームアップしていって地図が表示されていたものが、3次元的に表示されるようになった(実際にはだいぶ前から徐々に3次元化していたとは思うが)。一部の大都市部に限られているとはいえ、ジオラマのように立体的に浮かび上がるビル群やランドマーク的建造物は一見の価値がある。

NewsInsight Weekly Top 10
(2009年6月8日〜6月13日)
1位 Google Earthの都市が3D化
2位 “Excel神”に頼まなくても分析ができるようになるBI
3位 JavaOne最終日、ゴスリング氏がナイスなハックを紹介
4位 クラウド環境ではデータベースは「非正規化」して使う?
5位 2つの日本発プロジェクトがマージ、Linuxカーネル2.6.30
6位 JavaScriptを使わないJavaScript開発
7位 仮想化ハイパーバイザ搭載ノートPC、来年にも登場か
8位 Android上でスクリプティング環境を実現する「ASE」
9位 Javaプラットフォームを進化させるJRuby
10位 シスコの不況脱出を支える30の取り組み、ジョン・チェンバース氏

 登場当時に試したきりという人や、まだ実際に触ってみたことがない人には、Google Earthに一度触れてみることをお勧めする。都市から都市へ移動するときに感じる宇宙飛行士になったかのような浮遊感は気分がいいし、ちょっとした旅行気分が味わえる。パリと東京、あるいはニューヨークとリオデジャネイロが本当につながっているのだというようなことが直感的に理解できる。しかも、ストリートビューに似たインターフェイスで地表の世界に入っていくこともできる。

 政治学者のベネディクト・アンダーソンは古典的名著『想像の共同体』の中で、言語や印刷メディアの共有が近代国家におけるナショナリズム形成に果たした役割を分析している。同時に、都市部に建設される博物館(の所蔵物)や、その時代時代に登場した地図についても、「われわれ」という意識の形成に大きな役割を果たしたと論じる。かつて地図を見れば、まず自分の住む場所が中心にあり、国境というのは周囲の山々だったり海だったりして、それこそが世界の辺境だった。人々にとって、それが彼らの「世界」だった。共同体とは同じ地図を共有する人々のことで、想像の届く範囲こそが共同体の境界線だったことだろう。

 Google Earthは、地球をまるごと把握できる初めての地図だ。昔から地球儀があったと思う人もいるかもしれないが、地球儀では、いくら虫眼鏡で見ても、そこに人々が住む都市は見えて来ない。少し大げさな話のようだが、物心ついたときからGoogle Earthのようなデジタル化された地球を見て育つ世代は、新たな世界観を持つのではないかと思う。

(@IT 西村賢)

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