[コラム:Spencer F. Katt]
ハイテク・エグゼクティブたちのスラップショット
2003/1/15
Micromuseにとって2002年12月13日の金曜日は、アンラッキーな1日だったに違いない。同社はその日、トップのグレッグ・ブラウンが、モトローラの商用・政府・産業ソリューションセクターの社長兼CEOに転出するため、会長兼CEOを辞任すると発表した。
Micromuseの取締役会は直ちにCFOのマイク・ルートケメーヤーを暫定CEOに指名し、シエラ・ベンチャーズのゼネラルパートナー、デイブ・シュワブをノンエグゼクティブの会長として迎え入れた。事情通によると、今回の人事はどうやら「買収への最後の悲鳴」に聞こえるらしい。
取締役会にベンチャーキャピタルからノンエグゼクティブの会長が送り込まれる---それが最後の悲鳴でないとしたら、まぁ、厳粛な“死の宣告”というところか……。
ある情報筋によると、ソフト開発のアプリスマは最近、マーケティング部門のスタッフを全員レイオフしたそうだ。しかし、同社にとって事態は好転しつつある、と情報筋は語る。というのも、同社はついにゴアズ・テクノロジーによって買収されたからだ。アプリスマは今年はじめ、主力のネットワーク管理製品「Spectrum」をBMCソフトウェアに売却しようとして失敗した。そのとき、単純に価格を下げていたら、現在もっと好ましい状況になっていたかもしれないけど。
2002年12月2日付けの本コラム「ペレグリンに自律回復の道はあるか?」で、資産サービス管理システムを自動化する自己管理・自律回復型ソフトの開発を進めているとウワサされるペレグリン・システムズが、まるでフランク・シナトラの人生のように波乱万丈の運命に翻弄されていることを書いた。それを読んだ読者から、こんな情報が吾輩の元に寄せられた。
「Ol’ Blue Eyesなんかどうでもいいから、Big Blueに注目すべきだね。IBMがペレグリンを買収するかも……」
もう1つ、12月2日付けのコラムに関する話題。CEOって肩書きが付くと途端につまらない人間になっちゃうのが多いけど、世の中にはちゃんとユーモアのセンスを持ったお偉方もいるもんだね。コンピュータ・アソシエイツのサンジェイ・クマー会長兼CEOは、自宅で奥方と一緒にCAの全製品をベータテストするつもりだ、と吾輩が書いたことに、すぐさま反論してきた。
同会長は、「だいたい1000種類以上もあるCAの製品をすべて個人的にテストすることなど、物理的に不可能」と指摘したうえで、独創的な製品群の使い勝手をユーザーの視点からチェックするのは当然だ、としている。もちろん「最愛の妻は、CAのソフトウェアに関心はない」そうだ。
また、クマー会長がホッケーチームのニューヨーク・アイランダーズの共同オーナーであることに言及し、願わくばセンターのスラップショットを同じようなやり方でテストすると言い出さないでくれ、と書いたことに対して、彼はこう反論した。
「で、スラップショットってなに?」
*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です
[英文記事]
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