[コラム:Spencer F. Katt]
バットマンが事故ったら……

2003/11/11


マイクロソフトのプロフェッショナル・デベロッパーズ・コンファレンス(PDC)を取材するためにL.A.へ出向いた吾輩は、”Longhorn”という名のソフトウェア関連製品で、2006年以前に入手可能なものが、Longhornのロゴが付いたひも(コットン製)だけであるという事実に、いささか安心した。が、イベントに参加した女性が非常に少なかったことを考えると、果たしてハードコアなマニアたちに、そんなプレミアグッズを喜んでくれるガールフレンドがいるかどうか心配になった……。

 それはさておき、カンファレンスのテーマは、コード名「Indigo」と呼ばれるマイクロソフトのWebサービス戦略だった。しかし、同社の数々のセキュリティホールや、これまで登場したさまざまなワームの存在を考えると、”インディゴ”なんてコミカルな発音のプロジェクト名じゃ、なんだか迫力に欠けるような気もする。それより吾輩は、.NETに追加される「Pizza」という言語がいたく気に入った。もし拡張子にanchoviesとかあったら、個人的には最高だな。

 イベント会場に詰めかけた開発者たちは、コードのデモンストレーションやアプリケーション間メッセージング用のIndigo統一モデルの可能性に熱狂していた。マイクロソフトの新しいプログラミング・ツール群を搭載するハンドヘルド・デバイスのデモでは、各種デバイスで武装したモバイルITユーザーを茶化すように、同社のグレッグ・リソタがバットマンのコスプレでステージに登場。そしてオモチャのバットモービルで事故を起こし、ロビン役のオリ・アミーガが手際よく、携帯電話のデジカメ画像、GPS情報、天気サービス情報などが保険金請求ファイルにどのように組み込まれるかを説明した。

 それにしてもOnStar(衛星を利用した車載セキュリティ情報サービス)は、マントを羽織った正義のスポークスマンがマイクロソフトのアルバイト中に事故ったことをちゃんと認識したのかな? 宿敵ペンギンマンはいつ登場するのだろうと思いながら、吾輩は隣席の来場者にささやきかけた。

 「なんですかね、マイクロソフトの将来計画は、秘密の洞くつに住むマスクをかけた男がすべて知っているというわけですか?」

 マイクロソフトの主導的アーキテクト、ドン・ボックスは、ジミアンのCTO、ミゲル・デ・イカーサにレドモンドのWebサービスチームへ参加するよう、しきりに秋波を送っている。8月18日の本コラム(今度はSCOとLinuxユーザー企業のバトル?)でも、ボストンの講演会場で彼の姿を発見するや、ボックスが「ミゲル、ちょっとしたエンプロイメント・アプリケーションを手に入れたぜ。君のケツはもう僕のものだ!」と叫んだことを書いた。

 今回、L.A.のスタンダード・ホテルで開かれたマイクロソフト主催のパーティで、ボックスと彼のロックグループ“バンド・オン・ザ・ランタイム”は、ビートルズの「ミッシェル」の替え歌(タイトル「ミゲル・マイ・ベル」)をデ・イカーサに捧げた。ボックスは歌の終わりに、1本のバラをCTOに渡し、彼の手を取って短いツーステップまで踊ったのだ。

 もし、デ・イカーサがこうした強引な申し出を受け入れたとしたら、きっとマイクロソフトの人事部はセクハラ告訴状が添付された前代未聞の履歴書を受け取ることになるだろうね……。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
The Microsoft Channel

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