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@IT > ユーザー座談会:中堅・中小企業の基幹システムの「現状と課題」 |
企画:アットマーク・アイティ 営業企画局 制作:アットマーク・アイティ 編集局 掲載内容有効期限:2004年10月29日 |
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しかし、中堅・中小企業の基幹システムはさまざまな面で大企業とは異なる課題を抱えている。今回は、そうした規模のユーザー企業の方々に集まっていただき、その具体的な“生の声”“現場の課題”を大いに語ってもらった。 @ITで行ったアンケート結果とあわせて、ご紹介していこう。(>>基幹業務アプリケーションについてのアンケート[調査概要])
──本日は、中小企業の基幹業務システムに関する座談会ということで、実際に中小企業で情報システムにかかわっている方に集まっていただききました。最初に、自己紹介を兼ねて、自分の会社の業務システムの現状についてお話ください。
私は一応、総務所属ですが、もともとシステム系の仕事をしていて現在の職場に転職したものですから、7対3でコンピュータ系の仕事中心に作業をしています。情報システムに関わるスタッフは、私のほかに女性がいるのですが、実質的には私1人で担当しているような状況です。
その一方で、経理では給与、会計に市販のパッケージソフトを利用しているものの、複写伝票に手書きがいまだに残っています。また、大手の企業と取引をする場合には、指定の伝票を使わなければならなりません。そのため、いまだにPC-9801シリーズのDOS上にdBaseで独自開発したシステムなど、レガシーのシステムが現役です。 5年ほど前に、新規に業務システムを導入して社内に散らばっているデータの統合をしようという試みはあったのですが、結局うまくいかず、そのときに導入したシステムは販売管理のみ使っているにとどまっています。 5年前のプロジェクトでは、見積もりがどのくらい契約に至ったのかをトレースする、見積書発行を自動化するなどいくつかの目的・機能があったのですが、導入されたものの使われていないシステムも多いです。CTIなどは導入したものの、コンピュータ端末の電源を入れることすらされていないというのが実情です。システムそのものにも問題を感じていますが、社内スタッフの意識や利用スキルにも問題があると感じています。
業務システムとしては、1995年に3000万円程度の予算をかけて業務ソフトパッケージを導入しました。販売管理は、このパッケージを利用していますが、見積もりや受注伝票はExcelで作成しています。 2003年の8月には、3000万円のコストをかけてシステムのリニューアルを行いました。Arcstar(NTTコミュニケーションズ)で国内の7拠点をネットワーク化し、引き込み回線はメガデータネッツ(NTT東日本・西日本)、社内の情報システムにはMicrosoft Exchangeを使っています。既存の業務システムやExcelも依然として使い続けたままで、システムは緩やかな連携状態といえばいいでしょうか。 経理部門が利用しているのは、市販のパッケージシステムでオフラインのままなんです。オンライン化できるシステムがあるんだと説明をしても、使い勝手のためか、慣れのためか、別なものに変えることには抵抗があるようです。また、経理部門として、どんなシステムが欲しいのかを具体的に表現して、こちらに伝えることも難しいようです。
公江氏 お三方のお話を聞いて気になったのが、経営者の方はIT化についてどうお考えになっているのかということです。経営者から見て、何のためにIT化をされているのかが明確になっているのだろうかという点です。IT化をすることが目的ではなく、IT化することによって売り上げを伸ばすとか、在庫を減らすとか、そういう目的があるはずなんですが。 加藤氏 当社の経営者はIT化には積極的に取り組んでいるというか、決して否定はしません。ただ、何をIT化することによって、会社の利益が上がるのかといった点は明確になっていないように思います。ただし、IT化はかなり以前から取り組んでいまして、DOSどころか、いまだにメーカーの固有OSによるコンピュータがいまだに残っていて、給与計算、仕入れ業務に使っています。 販売管理システムは、先ほどお話ししたように東京ガスのシステムです。当社の業務からいえば、いかにお客様にガス機器を売るかがポイントとなってくるので、重要なシステムなのですが、簡単に現場のスタッフがデータを見ることすらできない。元データはあるのですが、それを使いやすく取り出してくるということもできず、データは貯まっていく一方です。ちょうど東京ガスのシステムもオープン化されるし、当社のシステムも刷新しなければならないという話しは出ているのですが、全体の見直しをしなければ、単発のシステム改善をしても意味がないと思います。 長谷川氏 古くからコンピュータを導入したという点では、先進的だったといえるのかもしれません。しかし、問題はコンピュータではなく、使い方です。コンピュータを導入するだけでは意味がありませんから、導入されたコンピュータをどう使うのかが問題となってきます。在庫データがあっても、「ここにデータがあって、各人の席から見ることができる。これで当社のIT化は完了した」という意識の人間が大半です。IT化によって、どう業務効率が変わっていくのか、はっきりしたビジョンがあるわけではありません。ただ、「部品の管理もしたい」とか、「バーコードでデータの管理ができないのか」とか、単発の要望があがってくるだけです。 社員の電子化に対する意識も、社内に蓄積されたデータをどう生かしていくのかよりも、各自のパソコンに入っているExcelやWordを使えるようになることがIT化だととらえてしまっているように思います。 渡辺氏 当社の場合は、トップダウンでシステムを変えているわけではありません。そこで現場の声を積み上げて情報システム部門に渡すということになるのですが、トータルなグランドデザインがあってシステムを構築しているわけではないため、システム全体が有効活用されていない部分も出てきます。
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