ICカード

IC Card/Smart Card

2006年4月4日

 ICカードとは、その名が示すとおりICチップを搭載したカードのことである。一般的なICチップの構造はCPUのほか、ROM、RAM、EEPROMで構成される。欧米ではスマートカード(Smart Card)と呼ばれる。ICカードは、1970年初頭、ほぼ同時期に日本の有村国孝氏とフランスのロラン・モレノ氏によって発明された。

 ICカードは、磁気ストライプカードに比べるとメモリ容量が大きいだけでなく、カードそのものの偽造や改ざんが難しくなっている。また、カードとリーダの間でそれぞれの正当性を相互に確認するため、スキミングなどの不正な読み取りや不正なリーダの検出がしやすいという利点もある。

 セキュリティの高さを生かして、日本では2001年ごろからクレジットカードやキャッシュカード、プリペイドカード(交通系、決済系)がICカード化していった。このほかにも、衛星放送の受信制御に使われるB-CASや、高速道路の料金自動領収システムであるETC(Electronic Toll Collection System)、携帯電話の加入者識別に使われるSIM(Subscriber Identity Module)にも利用されている。

 ICカードは大別して「接触型」と「非接触型」に分けられる。さらに非接触型は通信距離に応じて「密着型」「近接型」「近傍型」「遠隔型」に分類される。このうち、遠隔型を除いたICカードの規格はISO/IECで標準化されている。なお、今日、非接触ICカードと呼ばれているものはほとんどが近接型である。

接触型(ISO/IEC 7816)
非接触型
  密着型(ISO/IEC 10536) 通信距離は2ミリまで
近接型(ISO/IEC 14443) 通信距離は10センチまで
近傍型(ISO/IEC 15693) 通信距離は70センチまで
遠隔型 通信距離は70センチ以遠

 非接触ICカードのうち、近接型にはType-AとType-Bが存在する。なお、日本で主流となっているソニーのFeliCaはType-Cとして標準化を行っていたが、2001年に承認されることなく審議を打ち切られてしまった。しかし、FeliCaで使われている通信方式「Near Field Communication(NFC)」は、2003年にISO/IEC 18092として承認されている。

 ICカードで利用されているOSには、各社が独自に開発しているNativeカード、汎用OSのJavaカード、MULTOSカードなどが存在する。

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