RFID
Radio Frequency IDentification/アール・エフ・アイ・ディ/無線個体識別
RFIDとは、電波を使って物品や人物を自動的に識別するための技術をいう。おおざっぱに分類すると、モノに使うものがRFID、ヒトが使うものがICカードとなる。RFIDの基本的なシステムは、物品それぞれにユニークなIDを付与するICタグ(RFIDタグ)、ICタグ内のデータを無線で読み書きするリーダ/ライタ、IDにひも付けられた情報を保存するデータベース、およびリーダ/ライタとデータベースをつなぐミドルウェアによって構成される。
ICタグには、電池を内蔵して自ら電波を発するアクティブタグと、電池を持たずリーダから照射された電波を動力に変換して応答するパッシブタグに分けられる。また、ICタグの形状にはラベル型、カード型、コイン型などさまざまな形が存在する。
通信に利用される電波は、135KHz以下、13.56MHz、2.45GHz、UHF帯(860MHz〜960MHz)、433MHzが標準化されている。135KHz以下はもっとも古くから利用されている周波数であるが、通信距離が短くアンテナが大きいため、13.56MHzやUHF帯が主流になっていくと予測されている。
電波を対象に照射して、戻ってきた反射波を使って個体を識別する仕組みは、1940年代(第2次世界大戦中)に英空軍によって開発された敵味方識別システム(Identification Friend or Foe system:IFF)にまでさかのぼることができる。また、1948年にはHarryStockman氏が反射波による通信の可能性について「Communication by Means of Reflected Power」という論文を執筆し、RFIDの可能性が検討され始めた。
1975年にはRFIDを核物質の管理のための技術として研究していたロス・アラモス国立研究所が情報を一般に公開し、1976年から1977年にかけて2つの民間企業が起業された。1980年代には電池不要のパッシブタグが実用化し、1990年代からRFIDの応用研究が進められている。
RFID に関する標準化は、ISO/IEC JTC1/SC31「Automatic Identification and Data Capture Techniques」(ISOとIECの第1合同技術委員会第31分科会)のワーキンググループ4(WG4)で行われている。主な標準化項目は以下のとおり。なお、5.8GHzはISO/IEC 18000-5として審議されていたが、否決されている。
リーダとホスト間のインターフェイス | ISO/IEC 15961 |
リーダとICタグ間のインターフェイス | ISO/IEC 15962 |
ICタグ内の64ビット固有ID | ISO/IEC 15963 |
無線インターフェイスの一般パラメータ | ISO/IEC 18000-1 |
135KHz以下 | ISO/IEC 18000-2 |
13.56MHz | ISO/IEC 18000-3 |
2.45GHz | ISO/IEC 18000-4 |
860MHz〜960MHz(UHF帯) | ISO/IEC 18000-6 |
433MHz | ISO/IEC 18000-7 |
RFIDを利用したサービスやICタグのコード体系に関する標準化は、米国を中心とするEPCglobalと日本を中心とするユビキタスIDセンターで進められている。
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